最新記事

分離独立

テキサス共和党、アメリカからの独立を問う住民投票を要求

Texas Could Vote to Secede From U.S. in 2023 as GOP Pushes for Referendum

2022年6月21日(火)18時25分
カレダ・ラーマン

とはいえ、テキサス州では数十年にわたり、現代版の合衆国脱退派の活動が続いている。そして、合衆国脱退を呼びかける声は、民主党から大統領が出ている時期に大きくなる傾向があると、テキサス・トリビューンは指摘する。

このような訴えが実際にどれだけテキサス州民の支持を集めているかは定かではないが、「テキサスを再び独立国にする」と謳う団体「テキサス・ナショナリスト・ムーブメント」のウェブサイトは、同団体の活動を支持する州民は50万人近くに達していると主張する。

この運動は、テキサス州の共和党議員の支持も受けている。州下院議員のカイル・ビーダーマンは2021年、いわゆる「テキジット(Texit)」(テキサスとエグジット=離脱を合わせた造語)の可否を問う住民投票の実施を求める法案を提出した。これは、テキサス州共和党委員長のアレン・ウェストからも支持を得ていた。

バイデンは正当な大統領ではない

この法案は、民主、共和を問わず複数の議員から強い非難を浴びた。共和党所属の州下院議員ジェフ・リーチはこれを、「一つ星の州(テキサス州のニックネーム)に泥を塗るもの」で「まさに扇動そのものだ」と、厳しく糾弾した。

6月18日に閉幕した同州の党大会では、住民投票の問題に加え、綱領に関する270件以上の政策項目について、代議員が投票を行った。これらの票は今後、オースティンで集計され、正式に認定される予定だが、項目が否決されることはまれだと、州共和党の広報担当者ジェームズ・ウェソレックはトリビューン紙に述べている。

テキサス州の共和党員たちはさらに、現在のジョー・バイデン米大統領は「合法的に選挙で選ばれていない」と主張する決議を可決し、2020年の大統領選挙で広範な不正が行われたとする、ドナルド・トランプ前大統領の根拠のない主張への変わらない支持を表明した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場・寄り付き=ダウ約300ドル安・ナスダ

ビジネス

米ブラックロックCEO、保護主義台頭に警鐘 「二極

ビジネス

FRBとECB利下げは今年3回、GDP下振れ ゴー

ワールド

ルペン氏に有罪判決、被選挙権停止で次期大統領選出馬
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 5
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中