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ウクライナ

戦争は「誇張」されている?「夏を満喫」するウクライナ市民の写真が意味するもの

Do Photos of Busy Ukraine Beaches Prove There's 'No Warzone'?

2022年6月17日(金)19時30分
トム・ノートン
オデーサのビーチ

オデーサのビーチには地雷を警告する看板が Igor Tkachenko-REUTERS

<ウクライナで「夏を楽しむ」人々の写真が投稿され、一部からは「戦争のひどさが誇張されているのでは?」との声も上がるが>

ウクライナでは今も激しい消耗戦が続いている。特に東部での戦闘が激化し、ウクライナ軍はセベロドネツクの南北などでロシアの進軍に抵抗している。

一方、戦場がおおむね東部に移ったことで、広大な国土を持つウクライナのほかの地域では、戦いの激しさを以前ほど身近には感じなくなってきているのかもしれない。そうした地域の人々が、夏の到来を「楽しんでいる」様子を収めた写真がネットにはいくつも投稿されている。

しかし、これらの写真を見て、ウクライナは「報道されているほどひどい爆撃を受けていないのではないか?」と、主張する人が現れている。ウクライナの「惨状」は誇張されており、ここまで資金をつぎ込んで支援しなくても大丈夫ではないのか、というのだ。果たして彼らの主張は正しいのか?

6月16日に投稿されたあるツイートには、ウクライナの首都キーウの小さなビーチと思われる場所を数十人が利用する写真が掲載されている。

このツイートは、ユーチューバーのアレックス・ベルフィールドが投稿したもので、1万人以上が反応している。ベルフィールドはツイートの中で、メディアが戦闘の激しさを誇張し、誤解を招くような報道を行っていることを示唆している。

キーウの写真を掲載し、戦闘の激しさを疑問視するようなツイートはほかにもある。これらのツイートで紹介されている写真は、キーウを東西に横切るドニエプル川で撮影されたものだ。

ドニエプル川沿いは以前から、キーウ市民が水泳や日光浴を楽しむ人気のレジャースポットだが、それは2022年も例外ではないようだ。

広大な国土すべてが戦場ではない

ウクライナはロシアに次いで、ヨーロッパで2番目に大きい国であり、直接的な軍事行動が比較的少ない地域もあるのは当たり前のことだ。

首都キーウはここ数週間にも砲撃を受けるなど無傷なわけではないが、それでも現在の主な戦場は北東部やドンバス地域であり、キーウからはかなり離れている。例えば、ロシアがまだ奪取を宣言していないハルキウまでは、キーウから車で約6時間かかる距離がある。

戦争が始まって2カ月間、ロシアの砲撃が続いたものの、その後ウクライナ軍は、首都と隣接地域から侵略軍を追い出すことに成功した。ただし、ロシア軍が再び攻撃を仕掛け、キーウの奪取を試みる懸念も残っている。

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