ニュース速報
ワールド

イスラエル「ガザの食料十分」、国連反論 物資不足でパン店閉業

2025年04月02日(水)08時39分

 4月1日、国連は、パレスチナ自治区ガザで世界食糧計画(WFP)が支援するパン店25軒全てが物資不足から営業を停止したにもかかわらず、イスラエルがガザには長期にわたり十分な食料があると主張したことは「馬鹿げている」と非難した。写真は、食事を待つパレスチナの子どもら。3月9日、ガザ南部のハンユニスで撮影(2025年 ロイター/Hatem Khaled)

Michelle Nichols

[国連 1日 ロイター] - 国連は1日、パレスチナ自治区ガザで世界食糧計画(WFP)が支援するパン店25軒全てが物資不足から営業を停止したにもかかわらず、イスラエルがガザには長期にわたり十分な食料があると主張したことは「馬鹿げている」と非難した。

イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦期間が終わった3月2日以来、ガザ地区には援助物資が届いていない。

イスラエル首相府は先に、ハマスが残りの人質を全て解放するまで、ガザへの全ての物資の持ち込みを許可しないと表明している。

ガザへの援助物資の輸送を調整するイスラエル国防省傘下の占領地政府活動調整官組織(COGAT)は1日、停戦中に約2万5200台のトラックがガザに入り、約45万トンの援助物資を運んだと発表。

「ハマスが市民に分ければ、長期にわたって十分な食料がある」とXに投稿した。

国連のデュジャリック報道官はこれについて記者に問われると「そんなことは馬鹿げている。小麦粉や調理用ガスがなければ、パン店は営業できない」と答えた。

COGATは「国連の援助は、ガザに入った援助総額の30%にも満たない。他の援助団体や関係者も食料援助をしている」と説明。また、停戦中にガザに届けられた援助の多くが流用されたと主張した。

一方、ドゥジャリック報道官は「国連は届けられた全ての援助物資について厳重な管理体制を維持している」と述べた。

ハマスは、ガザは「飢饉の段階」に達しており、イスラエルは「時間の経過とともに増える破滅的な人的被害」の全責任を負うと非難した。 

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは142円付近へ小幅高、不透明感強く

ビジネス

金融システムは安定、追加利上げ後も仲介活動に不均衡

ビジネス

ドイツ税収、3月は前年比11%増 米関税政策で先行

ワールド

豪野党党首、国防費GDP比3%への増額公約 5月3
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 3
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 4
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「…
  • 5
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 6
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 7
    なぜ世界中の人が「日本アニメ」にハマるのか?...鬼…
  • 8
    日本の人口減少「衝撃の実態」...データは何を語る?
  • 9
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 10
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 7
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 8
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中