ナイジェリアで売春婦が客に焼き殺される「コーランを持っていた」から
Sex Worker Allegedly Burned Alive by Customer for Having Quran
イスラム学校でコーランを学ぶ少女たち(ナイジェリアのマイドゥグリ、2014年) Joe Penney-REUTERS
<女性を数人で殴打し生きたまま火をつけて殺害した残酷な事件の動機は「売春婦のくせにコーランをもっていたから」。しかも容疑者は女性の客だった>
ナイジェリアで、セックスワーカーの女性が複数の男に殴打された上、生きたまま火を付けて殺されるという事件が起きた。客の男が彼女の所持品の中にイスラム教の聖典であるコーランを見つけ、激怒したことが原因だという。
事件は4月にナイジェリアの最大都市ラゴスで起きた。ニュースサイト「パルス」の報道によれば、被害者はラゴスでセックスワーカーとして働いていたハンナ・サリューで、客のひとりとその仲間に殺害されたとみられている。
報道によれば、問題の客はサリューに1000ナイラ(2.58米ドル)を支払って性欲を満たし、彼女の部屋を後にした。しかしその後、サリューは金庫から現金5000ナイラがなくなっているのに気づいて客を追いかけ、非難した。
客は金を盗んだことは否定したものの、一緒に金を探すことに同意して、友人2人を連れて彼女の部屋に戻った。サリューの枕の下にコーランを見つけたのはこの時だ。
ひどい言いがかりの末に
ある匿名の情報源が別のニュースサイト「パンチ」に語ったところによれば、3人の男たちはサリューに、なぜコーランを持っているのかと詰め寄り、「激怒して彼女に飛びかかり、殴打した上に火をつけた」という。「容疑者の男たちは、セックスワーカーの仕事をしている彼女がコーランを持っているべきではないと腹を立てたのだ」
ラゴス警察の広報担当者であるベンジャミン・フンデインは、パンチが報じた事件の概要を認め、3人の容疑者は起訴されて、現在は公判中だと述べた。
現地メディアのプレミアム・タイムズによれば、ラゴス州政府は5月、事件があったアラバラゴ地区の市場が「犯罪者たちの隠れ家」になっているとし、一部の住民に14日以内の立ち退きを命じた。
別の現地メディアによれば同じ5月には、金銭をめぐる「誤解」から、二輪タクシーの運転手たちが音響技師を殺害する事件もあった。やはり意識がなくなるまで殴られた後、火をつけられて死亡した。フンデインによれば、この事件では4人の容疑者が逮捕され、その後起訴されている。