韓国でも夏休みを前に日本旅行熱が再燃しているが、その実情は......
韓国政府は官民挙げてノービザ観光の再開を望む...... REUTERS/Heo Ran
<韓国は5月に発足した尹錫悦(ユン・ソクヨル)新政権後、官民挙げてノービザ観光の再開を望むが、日本側は慎重だ......>
韓国政府は6月1日から観光査証(ビザ)の申請受付を開始した。多くの人が駐日韓国領事部館に殺到したが、韓国でも夏休みを前に日本旅行熱が再燃している。
日本人は個人と団体を問わず韓国旅行が可能となったが、日本政府は当面、団体旅行に限って観光ビザを発給するため、韓国人の日本観光はパッケージツアーのみとなる。
韓国は5月に発足した尹錫悦(ユン・ソクヨル)新政権を筆頭に、官民挙げてノービザ観光の再開を望むが、日本側は慎重だ。
韓国でも日本旅行熱が再燃
韓国観光公社は5月31日、22年4月の出入国者数を発表した。4月1日から30日に出国した韓国人は前年同月比201.9%の21万5246人で、入国した外国人は82.4%増の12万7919人だった。
外国人を含めた出国者は34万3165人と、新型コロナウイルス感染症の拡大以来、はじめて30万人を突破した。ワクチン接種完了者の入国時の隔離を免除するなど、防疫措置を緩和した影響とみられている。
航空便予約サイトの「アゴダ(Agoda)」が5月4日に発表した最も人気がある海外旅行先はタイで、米国、ベトナム、フィリピンが続き、コロナ ・パンデミック前まで1位だった日本や人気が高かった台湾、中国、香港はいずれもトップ10から姿を消した。防疫規制の緩い旅行先が好まれたのだ。
5月中旬、日本政府が観光客の受け入れ再開を発表すると日本旅行熱が再燃した。韓国格安航空会社LCCのエアプサンが、5月31日、釜山・金海空港-福岡空港路線をおよそ2年ぶりに運航し、約60人が搭乗した。
金海空港はコロナ禍前には日本国内13空港を結ぶ路線が就航しており、年間300万人が利用、福岡線は77万人が利用していたが、20年3月以降、中断していた。
エアプサンは福岡路線の再開に先立つ5月25日に仁川-成田空港線の運航を再開し、同27日には仁川-関西空港線を新規就航、7月22日から仁川-福岡線を運航する計画だ。
日本も観光客の受け入れを再開するが......
韓国政府は6月1日から在外公館で観光ビザの発給を開始した。東京港区の韓国大使館領事部には前日夜からビザを求める人たちが並び始め、午前9時には800人を超える行列ができたという。行列は10時頃には1000人に達したが、同領事部が1日に受付できる人数は200人程度で、大半が申請できずに帰宅した。
観光ビザの申請受付が始まったとはいえ、申請から発給まで3週間から1か月程度かかるとみられ、実際の訪韓は7月からとなる。福岡領事館は申請から1週間程度で観光ビザを発給する予定だったが、申し込みが殺到して2週間に延長した。
日本政府は一日1万人に制限している入国者を2万人に増やして、6月10日以降、韓国・米国・台湾など98の国と地域から観光客の受け入れを再開する。ただし、当面は添乗員付き団体旅行の利用者に限って観光ビザを発給する方針で、個人旅行は認めない。