非武装中立のバルト海のオーランド諸島、ウクライナ情勢に戦々恐々
漁師にして猟師、ビジネスマンでもあるヨハン・モーンさんは、少年のころから周辺の海で船に乗り、オーランド諸島のことなら知り尽くしている。
「水先人だった祖父は、第2次世界大戦中に機雷が仕掛けられた際、この海で航行を助けていた。フィンランドがソ連に攻撃された時には、スウェーデンから物資を届けた。今のわれわれの技術も使えるかもしれない」。モーンさんは、全長10メートルある自身のモーターボートに乗りながらこう語った。
有志でロシア船を監視へ
モーンさんはロシアの船や怪しい行動を見張るため、地元の有志によるネットワークを作りたい考えだ。一方で、オーランドの非武装維持を全面的に支持しており、フィンランド軍がオーランドを守ってくれるとも信じている。
「われわれも世間知らずではない。今のロシアのやり方を見ていると、ウクライナを奪い、さらに他の国も狙っているのは明らかだ。仮に最悪の事態になっても、われわれはこの地域を知り尽くしており、武器の扱いにも慣れている」と語った。
(Johan Ahlander記者、 Stoyan Nenov記者)
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