致死率わずか0.001%? 北朝鮮の「コロナ感染」データは絶対に何かがおかしい
2022年6月1日(水)17時50分
第3のシナリオは、現在は本格的な流行の初期段階にあり、当局はこれを制御できると考えているケースだ。発熱者数を誇張することで、権力基盤を強化する機会が生まれ、対外的には危機を訴えることで、医療・食糧援助を引き出す材料に使える。
あるいは発熱者数は本当で、死者数は国内の秩序を保つために低く抑えている可能性もある。だが、これも割に合わない努力に思える。中国・武漢の例が示すように、死者が数千人単位に増えれば隠すことは不可能だ。
北朝鮮に懐疑的な見方をする人は、最初のシナリオに飛び付くだろうが、筆者は第2、第3のシナリオのほうが可能性が高いと考える。発熱者数を誇張することは、当局が本物の感染爆発に備え、国民に不慣れな感染防止策を守らせるのに有効な方法だ。つまり、一種の予行演習だ。
いずれにせよ、北朝鮮におけるオミクロン株の蔓延は避け難い。今はまだ深刻な状態ではないとしても、感染拡大は時間の問題だ。
©2022 The Diplomat
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