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なぜ今どき空母?「ポスト米国」を見据える中国の不可解な3隻目「福建」

2022年6月27日(月)12時21分
サム・ロゲビーン(国際安全保障専門家)

そのために対艦攻撃能力を向上させ、潜水艦をはじめ、超低空飛行ミサイルを搭載した航空機、小型の高速艇、航行中の船舶を標的にできる弾道ミサイルなどの配備を進めてきた。こうなると、米軍の艦艇も容易には中国の沿岸部に近づけない。

中国が軍事面でアジアの海洋大国になるのを全面的に阻止するのはコストもリスクも高すぎる。だが前述の中国の対米軍備増強のような賢明な投資を行えば、たとえ小国でも、威圧しようとする中国艦隊の動きを牽制し、中国のアジア支配を全体的に阻止することは不可能ではない。

空母は中国のパワーの象徴ではあるが、だからといって、中国が必然的にアジア海域を支配するようになるとは限らないのだ。

From Foreign Policy Magazine

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