メコン川の主か? 世界最大300kg近い巨大エイに専門家も唖然 カンボジア
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カンボジアの漁師が、記録上世界最大の淡水魚である巨大なエイを釣り上げた。これまでに捕獲された淡水魚で最も大きかったのは2005年にタイで発見された293kgのメコンオオナマズだ。
自然保護活動を目的としたカンボジアと米国の共同研究プロジェクト「Wonders of the Mekong」が6月20日に発表した。
6月13日にカンボジア北東部のメコン川ストゥントレンの南で捕獲されたこのエイは、鼻から尾までの長さが約4メートル、体重が300キロをわずかに下回っていたという。巨大な球根のような形からクメール語で満月を意味する「ボラミー」と名づけられた。
ボラミーはその大きさのあまり、10人がかりで陸に揚げられた。釣り上げた漁師のモウル・トゥンさんは、記録破りの魚を釣り上げたという名誉と、約600ドル(約8万1,000円)の報酬を受け取った。
Meet Boramy, said to be the world's largest freshwater fish ever caught.
— Al Jazeera English (@AJEnglish) June 21, 2022
Weighing nearly 300kg and measuring 3.9 metres long, the giant stingray was caught in Cambodia in the Mekong River pic.twitter.com/nKzZv5203r
専門家も唖然
ボラミー捕獲は、淡水魚の研究者らを歓喜させるものでもあった。「Wonders of the Mekong」の研究チームが近くにいて、夜中にボラミー捕獲の一報を受けた。
研究者たちは飛び起きて準備し、数時間後に現場に到着。その光景に驚きを隠せなかった。
「淡水魚でここまで大きいものを目の前にし、状況を理解するのが難しかった」「チーム全員が唖然としたと思います」と、Wonders of the Mekongのリーダー、ゼブ・ホーガン氏。
淡水魚は一生の間淡水で過ごす魚と定義されている。クロマグロやマカジキのような巨大な海産魚や、シロチョウザメのように淡水と海水の間を移動する魚とは異なる。
ボラミーの捕獲が注目される理由は、単にその大きさだけではない。
メコン川は今、多くの環境問題に直面している。ホーガン氏は「魚がまだこれほど大きくなれるという事実は、メコン川にとって希望が持てる兆候」と語った。
メコン川の全長はおよそ 4,800キロメートル、東南アジア最長の大河だ。源流のチベット高原から中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムの6カ国を通り、約6,500万人がこの水源の恩恵を受けて生活している。
インドシナ半島の人々は川で捕った魚を食べ、川で採取した砂で家を作り、川の水で作物を育て生きてきた。