最新記事

ロシア情勢

「プーチンは来年引退、政権も瓦解か」──元MI6長官

Putin Will 'Be Gone by 2023,' Likely to Sanatorium, Predicts Ex-MI6 Chief

2022年5月23日(月)17時22分
ファトマ・ハレド

この姿も見られなくなる? Sputnik/Mikhail Metzel/Kremlin/REUTERS

<プーチンの健康不安説に世界が注目するなか、イギリスの諜報機関の元トップが、「プーチンの終わり」を具体的に予想した>

MI6(英国情報部国外部門)のリチャード・ディアラブ元長官は5月19日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は健康問題により来年までに国家指導者の座を降りるだろうと述べた。

「彼は2023年までに(表舞台から)去るだろうと私は思っている。たぶん療養施設に入る」とディアラブはポッドキャストの番組のインタビューで述べた。プーチンは現在69歳。施設を出て「ロシアの指導者」として再び姿を現すことはないだろうとした上で、ディアラブは「そうなればクーデター抜きで事態は動く」と述べた。

またディアラブは、西側諸国からの対ロシア制裁やウクライナ侵攻、そして現在のロシア軍の戦いぶりを背景に、ロシア現政権が今後12〜18カ月の内に「瓦解する」かも知れないと述べた。

プーチンの健康状態を巡っては憶測が飛び交っている。ちなみにウクライナ侵攻開始以降、ロシア政府がこの件について公式にコメントしたことはない。

プーチンへの直接インタビューをまとめた本や動画が話題となっているアメリカの映画監督オリバー・ストーン(代表作に『JFK』、『プラトーン』など)は、取材時にプーチンは癌を発症していたものの克服したと述べた。

「ロシアの統治に深刻な影響が出ている」

「プーチン氏が癌にかかっていたのは確かだが、すでに打ち勝ったと私は思う」とストーンは述べた。ただしストーンは、プーチンが発症していたのがどんな種類の癌だったかについては述べていない。

イギリスのラジオ局LBCによればストーンは、2015〜2017年にかけて複数回、さまざまなテーマでプーチンに直接インタビューしたという。だがナイジェリアに本拠を置くTDPelメディアによれば、ストーンはもう3年プーチンに会っていない。

元MI6職員のクリストファー・スティールも先ごろ、プーチンが治療のために会議を中座したと語った。

「(テレビでも放映された)安全保障会議は1時間程度続いたと思われているが、実際には数回のセクションに分けて行われた」と英LBCラジオの取材に対しスティールは述べた。「(プーチンは)セクションの合間に外出し何らかの治療を受けた」

またスティールは、プーチンは移動の際「常に医師団を伴なっている」と述べた。プーチンの病気で「ロシアの統治には深刻な影響が出ている」とも語ったが、その根拠については触れなかった。

「ロシア政府内での混乱や混沌の度は増している。プーチンの病気は重くなっており、彼が明確に政治を統率している様子も見当たらない」とスティールは述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

独新財務相、財政規律改革は「緩やかで的絞ったものに

ワールド

米共和党の州知事、州投資機関に中国資産の早期売却命

ビジネス

米、ロシアのガスプロムバンクに新たな制裁 サハリン

ビジネス

ECB総裁、欧州経済統合「緊急性高まる」 早期行動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 6
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 9
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 10
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中