原因不明の小児性急性肝炎が急増、日本でも1例目確認
Hepatitis Outbreak Sees 17 Children Needing Liver Transplants, 1 Dying: WHO

子供たちの肝臓に何が起こったのか Tharakorn-iStock.
<世界で報告された169人のうち1人が死亡、17人は肝移植を必要とする重い症状に。新型コロナウイルスとの関連や新型アデノウイルスの出現など原因を調査中>
WHO(世界保健機関)は4月23日、複数の国で原因不明の子どもの急性肝炎の症例が相次いでいると発表した。
21日までに、12カ国で少なくとも169人の子ども(生後1カ月から16歳まで)がこの肝炎になったとの報告があり、1人が死亡した。17人は肝移植が必要な重篤な状態になだという。
WHOは声明の中で、「肝炎の症例が実際に増えているのか、注目され始めたために通常なら気づかないケースも見つかるようになったのかは、まだはっきりしない。原因となる病原体については、アデノウイルスだという説もあるが、まだ調査中だ」と述べた。
発表によれば、21日までにイギリスでは114例、アメリカでは9例が報告されている。このほかスペイン、イスラエル、デンマーク、アイルランド、オランダ、イタリア、ノルウェー、フランス、ルーマニアとベルギーでも症例報告がある(編集部注:日本でも25日、これら同じとみられる症例が1例見つかったと、厚生労働省が発表した)。
またWHOは声明の中で、これまでの報告例について「臨床症状としては急性肝炎で、肝障害の程度を表す肝酵素の数値の著しい上昇を伴う」と説明しており、このほかに腹痛や下痢、嘔吐などの症状も報告されているとつけ加えた。発熱を伴う症例はあまり報告されていない。
CDCも全米の医療機関に注意勧告
さらに声明は、こう続けた。「これらの報告例では、ウイルス性の急性肝炎の原因となる一般的なウイルス(A~E型の肝炎ウイルス)は検出されていない。現在入手可能な情報からは、海外への渡航や他の国々とのつながりが原因とは特定されていない」
米疾病対策センター(CDC)は21日、全米の医療機関や公衆衛生当局に対して、原因不明の子どもの肝障害に注意するよう勧告を出した。アラバマ州の小児病院で、複数の子どもの急性肝炎が確認されたことを受けた措置だ。いずれの子どもも、アデノウイルスの検査で陽性反応が出たという。
CDCはウェブサイト上に公表した声明の中で、次のように述べた。「2021年11月に、複数の臨床医からCDCに対して、5人の子どもが重篤な肝障害を患っていると報告があった。このうち3人は急性肝不全で、アデノウイルスの検査でも陽性反応が出た」
肝炎についてCDCは、肝臓に炎症が起きる疾患であり、原因としてはウイルスへの感染や飲酒、毒物、薬物や内科的な疾患などが考えられるとしている。しかしアラバマの症例については、原因が分かっていない。