ロシア製武器の輸入をやめられないインド──「ロシア離れ」には国産化しかない
経済制裁には石油よりも武器
だが現実には、アメリカの主張を受け入れさせることは難しい。そもそもインドはロシアに対し、国境地帯における中国の挑発への非難を期待したことはない。さらに欧州を含む主要な買い手がロシアのエネルギーを輸入し続けるのであれば、ロシアは武器の生産を継続できるはずだ。
インドは長年、自国の防衛産業の生産能力不足に悩まされてきた。ロシア製の武器に依存しきった現状では、輸入を止めるわけにはいかない。
結局、アメリカにとってインドをロシア製の武器から引き離すよりは、依存度が低いロシア産原油から引き離すほうが簡単だ。インドのジャイシャンカル外相は11日の記者会見で、「おそらくわが国の1カ月分の輸入量は、ヨーロッパの半日分にも満たないだろう」と述べたが。
バイデン政権には、長期的にみてもっといい戦術もある。自国からインドへの武器輸出をさらに拡大し、他の主要な武器供給国(フランスとイスラエル)にも同調を促し、インドの国産兵器製造能力の強化を支援することだ。

アマゾンに飛びます
2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら