ロシア製武器の輸入をやめられないインド──「ロシア離れ」には国産化しかない

ADNAN ABIDIーREUTERS
<インドは長年、ロシア製の武器に依存してきた。「経済制裁」の足並みを揃えるには?>
インドの外相と国防相は4月11日、ワシントンでアメリカとの外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)に臨んだ。
バイデン大統領とモディ首相のオンライン会談に続く高官同士の対話はロシアのウクライナ侵攻後、やや動揺が見られた両国関係を立て直すものだった。
長年ロシアと協力関係にあり、武器の供給を依存しているインドは、ウクライナ侵攻を非難していない。この姿勢は依然として米印両国関係の課題だが、アメリカの最新戦術は、ロシアはもはや信頼できる安全保障上のパートナーではないとインド側を説得することにあるようだ。
2プラス2で行われた議論は、米印関係の多面的なつながりを証明するものだった。
今後、ロシアが武器を輸出し続けられるかは不透明
バイデン・モディ会談では、ウクライナ問題だけでなくクリーンエネルギー、テクノロジー、公衆衛生と食糧安全保障、軍事協力、インド太平洋問題にも焦点が当てられた。
2プラス2の開催前、関係者はウクライナ問題が重要な議題になると明言していた。だが会談後の公式文書は、人道支援に関する協議の約束と敵対行為停止の呼び掛け以外、ほとんど言及していない。
両者は対ロシア関係の大半について、意見の相違が存在することで意見の一致を見たようだ。会談後の公式発表は、数少ない合意点を強調するものとなった。
ここ数週間、アメリカが発するメッセージは、インドの姿勢を渋々受け入れるものから、インド側にロシアとの取引を継続した場合に起こり得る結果を警告するものへと変化してきた。直近では、ロシアとの長期的な安全保障関係を見直すよう示唆している。
米国家安全保障会議(NSC)の高官ダリープ・シンはニューデリーで今月、中国が次にインドとの国境付近で挑発行為に出た場合、インドはロシアの支援を当てにできないだろうと述べた。
確かにそうだ。ロシアは以前から経済的に中国依存の状態だったが、ウクライナ紛争によってさらに接近している。
経済制裁を受けたロシアが、インドへの武器輸出を継続できるかどうかも不透明だ。政治学者のバサブジット・バナジーとベンジャミン・カーチはウェブマガジン「ウォー・オン・ザ・ロックス」で、ロシアの防衛産業は2014年のクリミア併合以降、財政難に直面していると指摘した。