北朝鮮の超高級マンション「ペントハウス」、エレベーター動かず水道出ず
国営朝鮮中央通信は、建設に携わった労働者によって「品質が保証されて」おり、マンションのほか、教育や公衆衛生、福祉サービスに使われる予定の他の建物は、平壌が「人民ファースト」の都市となる上で一層貢献するだろうと伝えた。
国営メディアは14日、金氏が著名なテレビキャスターを含むエリート層のために別の住宅地で起工式を行う様子を報じたが、建物は低層で、どれも2、3階建てだった。
続く電力不足
北朝鮮は金正恩政権下で電力事情が大幅に改善し、夜遊びの機会も新たに生まれた。しかし依然として電力不足や、ときにはお粗末なインフラに悩まされている。
多くの人々は停電に備えて個人用のソーラーパネルを導入しており、電気が止まっても家電のような小型の機器は使うことができるが、エレベーターや水道のような設備にまでは電力が回らない。
ソウルの北朝鮮情報サイト「デイリーNK」のイ・サンヨン編集長は情報筋の話として、「一般人向けのマンションはまだ住める状態ではない」と話した。
最近完成した高級住宅には家具や調理器具が揃っているものの、窓は枠だけで、蛇口は据え付けられていても水が出ない状態だった。
高層マンションの普及には電気や水道の供給体制をさらに改善し、建築の品質に対する懸念を克服する必要があるという。
ジュンさんが平壌に住んでいたころ、ほとんどのエレベーターは1日に2回しか動かなかった。通勤時間帯の午前6時から8時と、夕方6時から8時だ。
高層階は水圧が低く、地上から水を運んだり、専用のポンプを設置したりしなければならなかった。
2018年に北朝鮮政府が海外メディアに国内の様子を公開した際、高級な47階建ての羊角島国際ホテルではエレベーターが稼働したが、北朝鮮スタッフが宿泊する数十階のフロアは電気がなかった。
当時、2人の北朝鮮当局者はロイターに対し、金氏が最近着手した「未来科学者通り」建設プロジェクトの1つの高層ビルの上層階は、エレベーターの不備への懸念から買い手が少なかったと認めた。
当局者の1人は「登るのに1時間もかかるリスクを誰も冒したくない」と述べた。
(SungHyuk An記者、Yeni Seo記者、Josh Smith記者)
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