プーチンが動かす傭兵集団「ワグネル」の汚い役割
Who Are the Wagner Group? Putin's Private Army Fighting In Ukraine
インターネットメディア「インターセプト」は3月31日、ワグネルの傭兵たちが、シリアなど自分たちが作戦を展開している国々で、さらなる戦闘員を採用していると報じた。また本誌は3月29日に、ワグネル・グループがウクライナ東部に1000人の傭兵を投入予定だと報じた。ウクライナ軍も3月に入ってから、首都キーウ(キエフ)近郊で、ワグネルの傭兵たちと複数回にわたって衝突したことを報告していた。
英情報機関・政府通信本部(GCHQ)のジェレミー・フレミング長官は、ワグネルは、ロシア軍側の死者数(公式発表数)を少なく抑えるための「捨て駒」として使われている可能性が高いと指摘した。ワグネルをウクライナに派遣することで、人権侵害行為から距離を置くこともできる。
国際行動規範協会のジェイミー・ウィリアムソン事務局長は、ワグネルはロシア軍の元兵士たちを雇い、「軍事請負組織」の機能を果たしていると指摘した。
「冷戦初期のような傭兵集団」
「ワグネルとロシア政府との間には、支配権と資金の出処という点において、明らかなつながりがある」とウィリアムソンは本誌に語った。「ロシア政府はその存在を認めていないが、ワグネルは軍事請負集団と見なされている。冷戦初期にみられたような傭兵集団に等しい存在であり、アフリカの南部、東部や西部の複数の企業がワグネルに関与しているとみられる」
本誌は、傭兵使用に関する国連作業部会のソーチャ・マクラウド議長、および国際的な人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチに、ワグネルについてのコメントを求めたが、本記事の発行時点までに返答はなかった。
ウクライナにおけるロシアの軍事作戦は、ウクライナ側の激しい抵抗を受け、停滞している。これまでにウクライナの民間人を含む数千人がこの戦闘で命を落とし、数百万人が避難を余儀なくされている。
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