「隔離は御免だ」「政府は未だお粗末」 中国ゼロコロナ政策に市民が不満爆発
中国のSNSでは先週、東北部瀋陽市で群衆が衣料品市場の窓を叩き、新型コロナウイルスの検査義務付けが再開されることに不満を爆発させる動画が拡散された。写真は北京のショッピングモール前で行われた検査の様子。21日撮影(2022年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)
中国のSNSでは先週、東北部瀋陽市で群衆が衣料品市場の窓を叩き、新型コロナウイルスの検査義務付けが再開されることに不満を爆発させる動画が拡散された。
地元政府は直ちに、この騒ぎに関する「うわさを拡散」させないようにと人々に通告。しかしインターネット上にはすぐに「隔離は御免だ!」、「大勢の人々が真実に目覚めた」といったコメントがあふれた。
対話アプリ「微信(ウィーチャット)」ではユーザーが「普通の風邪の方が大変。これを続けたがっているのは検査機関だ。ワクチン企業は永遠に接種し続けたいのだ」と怒りを爆発させた。
このコメントは、中国全土で高まる不満を映し出している。当局が感染力の強いオミクロン株の拡大を抑え込むため、あの手この手の「ゼロコロナ」政策を打ち出すことへの不満だ。
感染者数が増える中、絶え間ない検査など「動態(ダイナミック)ゼロコロナ」と呼ばれる政府の政策は複雑さを増す一方で、国民の間ではその有効性に疑問が広がっている。
国家衛生計画生育委員会の王賀勝・副主任は先週の記者説明で、政策の洗練度が上がったことによって、国民の不便は軽減されたと主張。「非常に少数の人々の通常の活動を犠牲にし、非常に小さい地域で移動を制限することと引き換えに、大半の地域と人々の生産と生活が平常通りに保たれている」と述べた。
しかし国民は、政策が透明性と一貫性を欠いていることに怒りを募らせている様子だ。SNSの検閲者は、あふれる不平不満の声を削除するために残業を強いられている。
北京のベッドタウン、河北省燕郊では、厳しいロックダウン(都市封鎖)が敷かれる中で住民が帰宅に苦労している。
オンラインで拡散された複数の画像からは、住民が北京から抜け出すため、激しい雪が降る中で検査結果受け取りの行列に並ぶ様子が見て取れる。こうした投稿には数百件のコメントが付いた。画像の多くは既に削除されている。