「隔離は御免だ」「政府は未だお粗末」 中国ゼロコロナ政策に市民が不満爆発
中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」には「感染が始まって3年も経つのに、政府の対応は未だにお粗末だ。人々の命や死にまるで無頓着な、怠惰で杓子定規な政府だ」という投稿があった。
経済的な苦境も広がっている。感染拡大が深刻な吉林省長春市で配達の仕事に就くマオさんは、周辺地域は9割方閉鎖され、生活費が稼げないと嘆く。「なすすべがない。街の閉鎖が解除されるのを待つしかない。お手上げだ」
恣意的なルール執行
規則が恣意的な上、地域住民の委員会が勝手な裁量でその執行を担っていることに対しても、住民から苦情が出ている。
例えば北京のある地域では、住民が2週間の自宅隔離命令に従っているかどうか見張るため、住民委員会がアパートのドアに監視装置を取り付けようとしている。住民によると、2日前に感染者が確認されたスーパーマーケットにある家族が立ち寄った件を受けて、この指令が出されたという。
上海では、集合住宅ごとに検査やロックダウンの基準がばらばらなことに戸惑いの声が聞かれる。
しかしこうした政策は単に生活を不便にするにとどまらない。ネット市民は、ロックダウンが招いた深刻な悲劇についても積極的に意見交換するようになってきた。
ウェイボーに先週アップされ、広く拡散された投稿によると、上海中央病院で化学療法を受けていた患者が病院の隣の宿泊施設に隔離されたまま亡くなった。
ネットには、新型コロナ絡みの混乱が原因で愛する人を失ったエピソードも拡散されたが、その後削除された。
ユーザーネームMaDDNaは「父は昨年暮れに脳卒中で亡くなった。治療を受けられる望みもあったのに、残念なことに私たちは(新型コロナの)核酸増幅検査の結果報告を待たなければならず、最良の治療のタイミングを逃してしまった」と投稿した。
(David Stanway記者)
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