ショイグ国防相はどこに?戦争中にトップ不在の異常事態
Russian Defense Minister Sergei Shoigu Not Seen for 12 Days
異様に長いテーブルの端で、プーチンから核についての命令を受けたこの日からショイグ(右)は表舞台から姿を消した。奥のゲラシモフ軍参謀長もいないという説もある Sputnik/Aleksey Nikolskyi/Kremlin/REUTERS
<ロシア軍のウクライナ侵攻を統括指揮する立場にありながら、2週間近く公式の場に姿を現していない>
ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は今どこにいるのか。
ロシア軍のウクライナ侵攻を統括指揮する立場にありながら、この2週間近く公式の場に姿を現していないと、ロシアの独立系メディアが指摘し、さまざまな憶測が飛び交っている。
ウラジーミル・プーチン大統領の側近中の側近であるショイグ(66)の不在を問題にしたのは、政府の腐敗などの調査報道を行ってきたロシアの独立系メディア「アギェンツトォバ」(ロシア語のエージェンシー)だ。ロシアのSNS「テレグラム」に長文の記事を投稿し、ショイグが3月11日に国営テレビに出演したのを最後に表舞台から姿を消したと伝えた。
ロシア政府の高官が匿名でアギェンツトォバの取材に応じ、ショイグは心臓病で体調が悪化しているのではないかと話したが、この情報については確認が取れなかったという。
ロシアの国営テレビ「第一チャンネル」は3月18日、ショイグが同日に行われたセレモニーで賞のプレゼンターを務めたと伝えたが、このニュースに使われた写真は国防省の公式サイトに3月11日にアップされたものだと、アギェンツトォバは指摘している。
クレムリンのPR担当なのに
ロシア政府の公式サイトには3月18日、プーチンが安全保障会議のメンバーとウクライナ情勢について話し合ったことを伝えるテキストが掲載され、そこにはショイグの名前がある。ショイグもその会議に出席したことになっているが、それを証明する画像や動画はない。
ロシア軍がウクライナ侵攻を開始した2月24日の3日後、ショイグはロシア軍のバレリー・ゲラシモフ参謀総長と共にプーチンに呼び出され、異様に長いテーブルに就いて、はるか遠くに座ったプーチンと話し合った。このときを最後に、ショイグがプーチンと一緒にいる姿を見た人はいないと、アギェンツトォバは伝えている。
While #UkraineRussianWar continues, rumors as well!
— Samir ALADILI - سمير العادلي (@ALADILI) March 23, 2022
Russian defence minister Sergei #Shoigu didn't appear publicly since nuclear alert meeting with #Putin.
And Chief of the General Staff Valery #Gerasimov fired!
that Gerasimov was fired! pic.twitter.com/yAKd3C6g36
国防省の公式サイトのショイグの活動履歴も、3月11日を最後に更新されていない。
ロシア軍はウクライナ侵攻を開始してから、予想外に強力なウクライナ側の抵抗に手こずっている。英国防省が今週発表した情報によると、ウクライナの他の地域では引き続き激しい戦闘が続いているが、北東から首都キエフに攻め込もうとしたロシア軍はウクライナ軍に前進を阻まれ、後退を余儀なくされたという。
アギェンツトォバが指摘しているように、ショイグは2012年に国防相に就任して以来、クレムリンのPR担当を自任。西側メディアにもたびたび登場して、ロシア政府の立場を主張し、国内外においてロシア軍と国防省のイメージアップに努めてきた。