NY外為市場=ドル3年ぶり安値、トランプ氏がFRBの独立性脅かすとの懸念で

ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し3年ぶり安値を付けた。トランプ米大統領によるパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の批判を受け、FRBの独立性が脅かされる恐れがあるという懸念が強まった。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 21日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し3年ぶり安値を付けた。トランプ米大統領によるパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の批判を受け、FRBの独立性が脅かされる恐れがあるという懸念が強まった。
トランプ大統領は21日、パウエル議長を「ミスター遅すぎ(Mr. Too Late)」と呼び、「今すぐ金利を引き下げなければ、経済は減速する可能性がある」と述べた。
ドルは主要通貨バスケットに対し、一時2022年3月以来の安値となる97.923に沈んだ。
ミズホのアジア(日本除く)マクロ調査責任者ヴィシュヌ・ヴァラタン氏は「FRB議長解任には特定の手続きが必要で、ハードルも高いと思われる」と指摘。同時に「トランプ大統領がFRBの独立性を損なうような動きを進めることは可能だろう」と述べた。
さらに、トランプ大統領が打ち出す関税措置を巡る不確実性と相まり、「ドル弱気筋にとっては多くの材料がそろっている状態だ」という見方を示した。
コーペイのチーフマーケットストラテジスト、カール・シャモッタ氏はノートで「物価安定と完全雇用というFRBの二大責務がホワイトハウスによって定義される新たな目標によって希薄化されるようなことになれば、急激な物価上昇時に金融政策の引き締めが困難になる可能性がある」と述べた。
ドルは安全通貨とされるスイスフランに対しては1.5%超下落し、10年ぶりの安値となる0.8063フランを付けた。
ドル/円は7カ月ぶりの安値を付けた後、終盤の取引では140.66円。
ユーロ/ドルは1.1535ドルと、節目の1.15ドルを上抜け、21年11月以来の高値を記録した。
ポンド/ドル も昨年9月以来の高値となる1.34ドルを付けた。
多くの欧州市場やオーストラリア、香港などの市場がイースターマンデーで休場だったため、商いは薄かった。
ドル/円 NY終値 140.85/140.90
始値 140.98
高値 141.07
安値 140.56
ユーロ/ドル NY終値 1.1513/1.1516
始値 1.1523
高値 1.1549
安値 1.1482