韓国、新型コロナ新規感染者世界最多 政府はさらに規制緩和
PCR検査、病院、葬儀場も混乱......
韓国医療機関も混乱状態に陥っている。韓国政府はこれまでPCR検査で感染有無を判断していたが、受検者が急増し、結果通知まで時間がかかるようになった。そこで、医療機関の迅速抗原検査でも感染有無を判断できることにしたのである。
PCR検査の結果通知は早くても翌日朝だが、医療機関の迅速抗原検査はすぐに結果が判明し、陽性が確認されたら診療と処方を受けられる。
検査が可能な病院に希望者が殺到、1時間からなかには3時間以上も並んだ人もいるという。医療機関は陽性者を見つけたら患者名と住民登録番号、住所、症状、職業などを登録することが義務付けられるが、受検者の急増で手が回らない状態だ。京畿道富川市のある医院の院長は「半日で陽性者が約40人出た。昼食抜きで患者を診ており、いつ届出ができるかわからない」と不満を吐露した。
葬儀場も深刻だ。韓国の葬儀場は多くが大病院に併設されており、遺体を病院に隣接する葬儀場に移して弔問を受け、葬儀が執り行われるが、遺体安置所が不足しており、さらには感染した遺体の引取りを拒否する遺族も現れた。死亡者は感染が拡大した2-3週間後に増えることから、3月末にはさらに増えると見られている。
文在寅大統領は沈黙したまま
大韓医師協会が「性急な防疫緩和は国民を危険にさらす」と懸念するなか、政府はさらに規制を緩和した。3月21日以降、私的会合の制限を8人に緩和し、ワクチン接種の完了を登録した海外からの入国者の隔離を免除する。4月1日からは未登録の接種完了者も隔離が免除される。韓国より感染者が少ない国からの入国者の隔離に意味がないだろうが、これまで認められなかった公共交通機関も利用できるようになる。
新型コロナが猛威を振るいはじめた頃、K-防疫を自賛した文在寅大統領は沈黙したままだ。予防医学の専門家は、政府は防疫を放棄しただけでなく、国民の犠牲を前提に集団免疫の実験を行っていると批判している。