各種の衛星画像が、ウクライナの惨状を明らかにしていく
光学センサの中分解能撮像分光放射計(MODIS)の観測データをもとに火災をモニタリングする「FIRMS」でマリウポリで多くの火災を確認されている image:FIRMS
<被害が進むウクライナの現状を各種の衛星画像が明らかにしている......>
米宇宙技術企業マクサー・テクノロジーズは、ロシアの軍事侵攻以降、ウクライナの上空から商用地球観測衛星「ワールドビュー3」が撮影した衛星画像を公開している。
アゾフ海に面したウクライナ東部の港湾都市マリウポリは、ロシア軍に包囲され、激しい無差別攻撃を受け続けている。マクサー・テクノロジーズがツイッターに投稿した衛星画像によると、2022年3月9日午前10時16分(現地時間)、マウリポリ市内の住宅やビル、食品スーパー、ショッピングモールが破壊された。攻撃前と攻撃後の衛星画像の比較によって被害の状況が明らかにされている。
In these before and after #satellite images of #Mariupol, #Ukraine you can see destruction of homes and building. The latest imagery is from 10:16 a.m. local time on March 9, 2022. (Location: 47.099, 37.662) pic.twitter.com/J9eXaPg7gl
— Maxar Technologies (@Maxar) March 9, 2022
March 9, 2022 #satelliteimagery taken at 10:16 a.m. local time show grocery stores and shopping malls that have been destroyed in the western section of the Ukrainian city of #Mariupol. (Location: 47.101, 37.504) pic.twitter.com/ElRuyu1rYf
— Maxar Technologies (@Maxar) March 9, 2022
3月16日には、市中心部の劇場「ドネツク・アカデミック・リージョナル・ドラマシアター」が爆撃を受けた。当時、この劇場には多数の住民が身を寄せており、3月12日頃にロシア語で「子ども」の文字がその前後の地面に書き加えられたという。3月19日に撮影された衛星画像では、この劇場とその周囲で大きな被害がみられる。
The words "children" were written in Russian in large white letters in front of & behind the theater that was destroyed in #Mariupol today. These were added around March 12. Video posted on March 10 shows theater packed with sheltering families. @Maxar https://t.co/nrQLa2V6Ro pic.twitter.com/paKUEBQww2
— Christoph Koettl (@ckoettl) March 16, 2022
New #satellite imagery from this morning, March 19, 2022, of #Mariupol, #Ukraine, showing the aftermath of the airstrike on the Mariupol Drama Theater. pic.twitter.com/hgPOa9ABBE
— Maxar Technologies (@Maxar) March 19, 2022
光学センサで火災をモニタリング
アメリカ航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星「テラ」と「アクア」に搭載された光学センサの中分解能撮像分光放射計(MODIS)の観測データをもとに火災をモニタリングする「FIRMS」では、マリウポリで多くの火災が確認されている。3月19日までの20日間を遡ると、市中心部を中心に多くの火災が発生していることがわかる。
マクサー・テクノロジーズの衛星画像は、首都キエフ近郊でもロシア軍の侵攻をとらえている。
2月28日、キエフ州北西部イバンキフ付近でロシア軍の車列が60キロ以上にわたって連なり、首都キエフに向かう様子が撮影された。3月11日にはキエフ郊外のアントノフ国際空港から出火する様子がとらえられている。
Satellite imagery from today, March 11, 2022, at 11:00 a.m. local time, shows the fires that continue to burn at Antonov International Airport. Using multispectral imagery you can clearly see where the fires are actively burning. #Ukraine pic.twitter.com/jrlnZ570eZ
— Maxar Technologies (@Maxar) March 11, 2022
ロシア軍の侵攻を上空からとらえているのはマクサー・テクノロジーズのみにとどまらない。200基以上の人工衛星を用いて地球の全表面を観測する米プラネット・ラボは、2月24日にロシア軍から攻撃を受けた北東部ハリキウ州のチュグエフ空軍基地や2月27日に攻撃を受けて炎上したキエフ近郊バシリキーウの石油貯蔵施設などの衛星画像を公開している。
また、米地球観測衛星サービス企業ブラックスカイでは、2月28日12時14分(現地時間)、北東部ハリコフのホームセンター「エピセンターK」が砲撃の被害を受けた様子をとらえている。
Image collected over #Chernihiv, #Ukraine 12:22 hrs local (UTC+2) today. $BKSY rapid revisit capability & #analytics capture home improvement warehouse Epicentr K ablaze with fields damaged by #fire as #shelling continues in the area. pic.twitter.com/JMEyjsbIuo
— BlackSky (@BlackSky_Inc) February 28, 2022