16日ドル債務利払い期日、制裁によるデフォルト回避に奔走するロシア
Russia Scrambles to Prevent Defaulting on Debt Payments as Sanctions Bite
モスクワにあるロシア中央銀行 Maxim Shemetov- REUTERS
<ウクライナへの軍事侵攻に対する制裁で自国の外貨準備を自由に使えなくなったロシアが、16日にドル建て債務の利払い期日を迎える。いったいこれをどう乗り切るつもりか世界が注目している>
ロシアが、デフォルト(債務不履行)を回避しようと奔走している。これは、同国のウクライナへの軍事侵攻を受けて、西側諸国によって科された厳しい経済制裁の結果だ。
ロシア財務省は3月14日の声明で、同国の外貨建て債務の利払いを行うための一時的措置を承認したと発表した。だが声明は同時に、経済制裁の影響で、外貨ではなくルーブルで支払うことを余儀なくされるおそれがあると警告している。
ロシア国債の重要な利払いを3月16日に控え、アントン・シルアノフ財務大臣は「ロシアが公的債務の返済義務を果たせないとの主張は事実に反する」と声明で述べた。「果たすべき返済義務を履行するために必要な資金が、我々にはある」
2月24日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナへの軍事侵攻を開始すると、西側諸国は即座にロシアに対する厳しい制裁措置を発表した。
制裁には、一部のロシアの銀行をSWIFTから締め出す措置も含まれていた。SWIFTは国際銀行間通信協会の略称で、世界の1万1000を超える金融機関の支払業務を円滑化する国際的な決済ネットワークだ。
SWIFTからの締め出しにより、ロシア中央銀行は、自行が持つ外貨準備を使う能力を著しく阻害された。プーチンおよび大統領と近しい政治家やビジネスマンの多くにも制裁が科され、ルーブルは暴落し、ロシア企業の株価も暴落している。
迫るドル建て債務の利払い期日
英フィナンシャル・タイムズ紙によると、ロシアは16日にドル建て債券について計1億1700万ドルの利払い期限を迎えるという。またこれら債券の発行条件に、ルーブルでの支払いという選択肢は含まれていないとのことだ。
ロシア政府には、30日間の返済猶予期間が設けられているが、仮にデフォルトになれば、ロシアの今後の資金調達は難しくなる。調達できたとしてもそのコストは極めて高くつくことになる。
「我々は、必要不可欠な輸入品の支払いをする必要がある。食料や医薬品など、命に関わる品々だ」。財務大臣のシルアノフは13日、ロシア国営テレビに出演した際にそう述べた。「だが、我々が債務の支払いをする相手はロシアに敵対し、我々の外貨準備の使用を制限する措置を取った。従って我々は、これらの敵対国々に対する債務をルーブルで支払うつもりだ」
「中央銀行および政府の外貨口座の凍結は、人為的なデフォルトを引き起こしたいという西側諸国の意図と解釈できる」とシルアノフは述べた。
13日のシルアノフの発言によると、ロシアが保有する総額6430億ドル相当の外貨準備のうち、西側諸国からの制裁の影響を受けた金額は約3000億ドルにのぼる。