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ウクライナ情勢住宅地攻撃でウクライナ側の死者増加 ロシアの進軍は停止、作戦に混乱との見方も
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ロシア軍によるウクライナへの攻撃は1日も各地で続き、第2の都市ハリコフ中心部がミサイルで攻撃されたほか、首都キエフではテレビ塔が攻撃を受けて5人が死亡した。写真は炎を上げるキエフのテレビ塔(2022年 ロイター/Carlos Barria)
ロシア軍によるウクライナへの攻撃は1日も各地で続き、第2の都市ハリコフ中心部がミサイルで攻撃されたほか、首都キエフではテレビ塔が攻撃を受けて5人が死亡した。
ハリコフの地方行政官は、市中心部がミサイル攻撃を受け、住宅地や地方庁舎に被害が出たことを明らかにした。地方行政官はソーシャルメディアに投稿した動画で「ウクライナ市民に対するジェノサイド(集団殺害)だ。市民に対する戦争犯罪だ」と述べた。詳しい死傷者数は分かっていない。
ウクライナ当局によると、首都キエフではテレビ塔が攻撃を受け、5人が死亡した。電波が中断される可能性があるという。
このほか、西部ジトーミルの住宅地域では、周辺の空軍基地を狙ったとみられる巡航ミサイルで子どもを含む4人が死亡したという。内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問が地元テレビに語った。
ロシアの作戦混乱か
米政府関係者によると、キエフに迫った約65キロに及ぶ軍車列は、過去24時間に全く前進していない。物流問題や燃料・食料不足で動けず、戦術見直しのために一時停止しているのではないかという。
また、侵攻開始から1週間近くたつが、予想をはるかに超える激しい抵抗に遭い、主要都市をまだ制圧できていない。
米ウィルソンセンターでロシア軍の専門家であるマイケル・コフマン氏は、「ロシア軍の作戦を見ると、兵たんと通信に多大な問題を抱えている。作戦は全体が混乱しているように見える」とツイートした。
西側の軍事アナリストの多くは、ロシアが今後、居住地域への侵入前に徹底的に砲撃する戦術に戻るのではないかと懸念。
米国防総省のある高官は、キエフ北部での停滞の理由として「ロシア軍自体が再編成や方針の見直しを実施し、これまでの課題に適応しようとしている」と分析した。
また「ロシア側は士気の問題に驚いているほか、補給路などの課題についても満足していない」と、根拠を示さず語った。
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