ロシアのウクライナ侵攻3週目 キエフ包囲へ軍再編、ベラルーシからの攻撃も懸念
欧州連合(EU)もロシアに対し新たな制裁を課す方針を表明。EUによる対ロ制裁はこれで第4弾で、ロシアへの貿易・経済上の最恵国待遇を剥奪し、暗号資産の使用を取り締まるほか、高級品の輸出や鉄鋼製品の輸入を禁止する。
また、EUは10日から2日間の日程でパリ郊外ベルサイユで開いた首脳会議で、食料、半導体、医薬品、原材料のほか、デジタル技術などに対する域外への依存を低下させることで合意。ウクライナに対する資金と軍備の提供拡大と、ロシアに対する一段の制裁措置の導入でも合意したが、ウクライナの早期加盟については棚上げした。
キエフを包囲
ウクライナの首都キエフのビタリ・クリチコ市長によると、人口350万人のキエフに現時点でも約200万人がとどまっている。市内に残っている人のために2週間分の物資が確保されているほか、現時点ではキエフへの供給ラインは閉ざされておらず、市内では現在、電気、暖房、ガス、水道は機能しているという。
米衛星画像会社マクサー・テクノロジーズが撮影した映像によると、キエフ北西にある空港近辺の集落をロシア軍の装甲車が移動。英国防省は、ロシア軍はキエフ襲撃を含む新たな攻撃を準備していると指摘した。
ウクライナ参謀本部は、ロシア軍をベラルーシとの国境付近の「不利な位置」に押し戻したとし、ロシア軍は打撃を受けた後、再編成しているとの見方を示した。
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