最新記事

新型コロナウイルス

「強奪した」香港でコロナ急拡大...焦る中国政府の「介入強化」の懸念が強まる

China's COVID Policy Not Working in Hong Kong As City Sees Over 6K Cases

2022年2月18日(金)17時22分
アーロン・マクデード
香港コロナ検査会場

香港のコロナ検査会場(2月7日) Lam Yik-REUTERS

<オミクロン株が猛威を振るう香港は「医療崩壊」が危ぶまれる状況に。習近平も事態を重く見るが、香港側には支援受け入れを危険視する声も>

新型コロナウイルス感染症を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ政策」を続ける中国だが、香港でもこれと同じく「ダイナミックゼロ(動態清零:ゼロトレランス)」方針が掲げられている。

ところが最近は、抑え込みに苦慮しているのが実情だ。新規感染者数は、2月はじめの時点で約100人だったが、2月17日には6116人となり、前日に記録した過去最多の4285人を上回った。当局の発表によれば、コロナ患者向けの病床使用率は90%で、ほかの隔離施設も限界に近づいている。

香港が現在実施している新型コロナウイルス感染症対策に基づくと、陽性反応者は全員、少なくとも7日間にわたって病院に入院するか、隔離施設に入らなくてはならない。退院・退所のタイミングは、各患者の症状と、検査で陰性反応が出始めたかどうかで決まるとされる。

ただ今後は、病院や隔離施設などの負担を軽減するため、隔離方針を変更する可能性が高いと香港当局は発表している。

食物及衛生局の副局長、徐徳義(チュイ・タクイ)は、「深刻な数の感染者が出ており、陽性反応者の入院や公共隔離施設への収容を、より迅速に進める必要がある」と述べた。「政府は、それらすべての問題を取り除くべく努めている」

屋外のベッドで行われる治療

香港では、2月はじめの1週間で10人を超える死者が報告され、パンデミックが始まってからの累計死者数は200人を超えた。米疾病予防管理センター(CDC)も、香港では変異株のオミクロン株によって過去に例のない感染者急増が起きたと述べている。

香港当局が入院や隔離に関する方針の変更を決定した背景には、病院が患者を収容しきれない現状がある。メディアでは、屋外に設置したベッドで治療が行われる様子が伝えられている。

香港医院管理局の何婉霞(サラ・ホー)は、「多数の患者が屋外で待機させられる状況が続けば、医療関係者が24時間体制でいくら必死に働いても、自分たちの努力だけでは問題を解決できない」と、AP通信のインタビューで述べている。何婉霞によれば、新規感染者が膨大な数に上るため、香港の公立病院は「危機的状況」にあるという。

香港行政長官の林鄭月娥(キャリー・ラム)も2月4日、近いうちに香港全域で大規模検査を行うべきかどうかを政府は検討中だと発言したと報じられている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=急落、ダウ1679ドル安 トランプ関

ワールド

関税に対する市場の反応、想定されていた=トランプ氏

ワールド

米「NATOに引き続きコミット」、加盟国は国防費大

ビジネス

NY外為市場=ドル対円・ユーロで6カ月ぶり安値、ト
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 2
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のために持ち込んだ?
  • 3
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 6
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中