ブタからヒトへの「心臓移植」を成功させた医師本人が語る、医療技術と生命倫理
“I Transplanted a Pig Heart”
人にはそれぞれ意見があって当然だ。異種移植は動物の搾取だという意見には、私は謙虚かつ断固として反対する。手術に用いられるのは臓器移植目的のクローン動物で、敬意を込めて大切に育てられ、痛みを味わうことはない。
とはいえ、ヒト以外の霊長類を用いるのは良案でないだろう。遺伝子操作されたブタの心臓は、いわゆる「不調和異種移植片」だ。ブタは哺乳類だが、ヒトと懸け離れている。個人的には、ヒトに近すぎるサルやチンパンジーの利用には賛成しない。
だが、異なる意見は心から尊重する。生きている動物の命を奪っているという事実は忘れてはならない。
自分の人生で、こうでなかったらと思うことはほとんどない。大変な道のりだが、いま実現している出来事に信じ難い思いでいる。今後も、この道を進み続けるだけだ。
健康は素晴らしい。健康でない人のために自分の健康を生かす。それこそ、医師の使命にほかならない。
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