ロシアがウクライナ侵攻に十分な兵力集結と米警戒 欧米各国の退避勧告相次ぐ
壊滅的かつ破壊的
ジョンソン英首相はバイデン大統領主催の電話会談で、欧州の安全保障を巡る懸念を表明。英首相府によると、ジョンソン首相は「ロシアがウクライナに侵攻するという壊滅的かつ破壊的な決断を下した場合、重い経済制裁のパッケージを用意する」必要性を強調したという。
ロシアとウクライナとの間の緊張が高まる中、英国やオランダのほか、ノルウェー、ラトビアなどは11日、自国民に対しウクライナからの退避を勧告。日本の外務省も11日、ウクライナの危険情報を最高度の4に引き上げ、滞在する邦人に直ちに退避するよう勧告した。
一方、欧州委員会はウクライナから職員を退避させる措置は実施していないとした。
ロシア政府は、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)による安全保障に関する要求への回答は「敬意に欠けている」とした。
関係筋によると、バイデン大統領は10日夜、ホワイトハウスのシチュエーションルームで国家安全保障顧問と会談し、ウクライナ問題について協議。ロシアは軍艦6隻を黒海に差し向けるなど態度を硬化させており、米政府関係者は危機が臨界点に達しつつあると考えているという。
ブリンケン米国務長官は、侵攻がいつ始まってもおかしくはないとし、「五輪開催中も含まれる」と言及。「ウクライナ国境に到着した新しい軍隊を含め、ロシアが激化する非常に厄介な兆候を見続けている」と語った。
ウクライナ情勢の一段の緊迫化を受け、米国株は引けにかけて下げ幅を拡大。S&P総合500種は約1.9%安となった。一方、金と原油は上昇。ロシアの通貨ルーブルは約2年ぶりの大幅な下げとなった。
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