北京冬季五輪に関係する保険業界関係者、視線はウクライナ国境へ
しかしロシアとウクライナの間で戦争が起これば、チームと放送局は戦争関連の損失を自己負担せざるを得ないかもしれない。ハウデンのフレーザー氏によると、米国、英国、フランス、中国、ロシアという5つの「超大国」が関わる戦争はしばしば、興行中止保険の対象から除外されるからだ。
保険会社は普通、保険金を支払いきれないようなリスクを保険の適用外とする。2年前に新型コロナのパンデミックが始まって以来、興行中止保険を提供する保険会社はスポーツ大会やコンサート、会議の中止に伴って損失を抱え込むことになった。
この結果、保険会社は契約対象から外す項目を拡大。保険加入者は、イベントの延期や中止につながりかねない事由でも、一部は保険金を請求できなくなった。
新型コロナはカバーせず
北京冬季五輪は、新型コロナの感染を防ぐために厳しい「バブル」の中で開かれるが、既に五輪選手・当局者の感染が報告されており、組織委員会は今後も感染が増える可能性があるとしている。
五輪の中止や欠場に関する保険契約は大会の何年も前に結ばれることが多いため、損失は保険会社に及ぶ。しかし保険ブローカー、NFPスポーツ・アンド・エンターテインメント・グループのリー・アン・ロッシ最高執行責任者(COO)によると、最近契約が結ばれた保険では新型コロナがカバー対象から除外されているはずだ。
そして今後の五輪に関しては、新型コロナなど伝染性の疾病をカバーする興行中止保険がほぼ購入不可能になっている。
独保険大手アリアンツは2028年までIOCとスポンサー契約を結んでおり、業界筋らによると、北京冬季五輪では最大の保険会社となる可能性が高い。
アリアンツの広報は契約の詳細についてコメントを控え、五輪関連の各委員会や選手らと各種保険を巡って協力しているとした。
(Noor Zainab Hussain記者、Carolyn Cohn記者)
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