米国務省、南シナ海における中国の権益を否定(詳細)
U.S. Dismisses China's Claims in South China Sea in State Department Report
報告書は、アメリカとして、ハーグ(オランダ)にある国際仲裁裁判所が2016年に下した判決を支持する姿勢を改めて示したものだ。同裁判所は、フィリピンが中国を提訴した裁判の中で、中国が独自に主張する「九段線」には国際法上の根拠がないとの判決を下した。米国務省は2014年の報告書「リミッツ・イン・ザ・シーズ No.143」の中でも、九段線は国連海洋法条約と矛盾しているとの見解を示していた。
中国側はこれまでの立場を繰り返した
国務省は報告書と共に公表した声明の中で、「今回の調査報告の公表に伴い、アメリカは中国に対して改めて、国連海洋法条約に反映されている国際法にのっとって海洋権益の主張を行い、2016年7月12日の国際仲裁裁判所の判断に従うよう求め、また南シナ海での不法かつ威圧的な活動をやめるよう求める」と述べた。
DEPARTMENT OF STATE
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中国政府は同報告書の公表を受け、13日に反応を示したものの、米国務省の調査の中で既に示されている立場を繰り返したのみで、南シナ海での活動の正当性をめぐる未解決の疑問には答えなかった。
中国外務省の汪文斌報道官は、米国務省の調査は「国際法を歪め、大衆を混乱させ、不和の種をまき、地域情勢を混乱させる」と批判し、こう続けた。「中国には南シナ海における歴史的な権利がある。南シナ海における中国の主権やそれに関連する複数の権利および権益は、国連憲章および国連海洋法条約をはじめとする国際法と一致している」
汪文斌はまた、2016年の国際仲裁裁判所の判決について、「違法であり無効だ」として受け入れない考えを繰り返した。