テスラだけではない中国政府に媚びるアメリカ企業
Tesla Accused of 'Economic Support for Genocide' After Opening Showroom in Xinjiang
北京の街にそびえるテスラのロゴ REUTERS/Tingshu Wang
<テスラが人権侵害が行われているとみられる新疆ウイグル自治区にショールームを開設するのはジェノサイド支援と同じ、とイスラム系人権団体は憤るが>
人権侵害で国際的な問題になっている中国の新疆ウイグル自治区に電気自動車メーカーのテスラがショールームを開設すると決定したことに対して、活動家たちは非難の声を上げている。
イスラム教の市民団体「米国イスラム関係評議会(CAIR)」は、テスラとCEOのイーロン・マスクに対して、新疆ウイグル自治区の首府ウルムチに開設したショールームを閉鎖するよう求めた。CAIRは声明で、ショールーム開設は「ジェノサイドへの経済的支援も同然の行為だ」と断じた。
新疆ウイグル自治区当局は、イスラム教徒のウイグル人を強制収容所に入れるなどの人権侵害を指摘されている。自治区当局と中国政府はともに、これらの疑惑を否定している。
CAIRの全米コミュニケーションディレクターであるイブラヒム・フーパーは、「いかなる米国企業も、宗教的・民族的な少数派に対するジェノサイドの中心地でビジネスを行うべきではない」と訴えた。
インテルはエシカルな調達を中国に謝罪
テスラは中国に大きな顧客基盤を持つが、ほかにも、「自社の利益のために人権侵害の疑惑を無視している」として非難を浴びた企業は多い。BBCによれば、インテルは2021年12月、中国政府に謝罪した。サプライヤー各社に対して、新疆ウイグル自治区の製品やサービスを避けるよう求めたことに中国政府が激怒したからだ。
インテルは声明の中で、「尊敬すべき中国の顧客、パートナー、市民に迷惑をおかけしたことを謝罪します」と述べている。「インテルは、中国との共同開発を加速させるため、信頼できる技術パートナーになることを約束します」
中国では、外国企業に対して、新疆ウイグル自治区やチベット、台湾などの政治的な問題に対して口を出すなという圧力が高まっている。中国共産党は各社に対し、広告やウェブサイトでは中国共産党と同じ立場を取るよう働き掛けている。共産党はまた、新疆ウイグル自治区での強制労働をはじめとする虐待の報告に懸念を示す衣料品ブランドなども攻撃している。
活動家や外国政府によれば、新疆ウイグル自治区の強制収容所には、ウイグル人などのイスラム系少数民族を中心に、約100万人が収容されているという。一方、中国当局は虐待の疑惑を否定し、収容所は職業訓練や過激派対策を目的としたものだと述べている。