中国「千人計画」に魂を売ったハーバード大教授、米で有罪評決
China Says U.S. Should Not “Stigmatize”Exchange Program
リーバー教授は裁判で一貫して無罪を主張(写真は2020年1月連邦地裁退廷時のもの) Katherine Taylor-REUTERS
<中国のスパイを取り締まる米司法省「チャイナ・イニシアチブ」最大の成果に、中国政府はすかさず反発>
中国政府が進める科学研究分野の人材招致計画「千人計画」をめぐり、米連邦裁判所がナノテクノロジーの世界的権威であるハーバード大学のチャールズ・リーバー教授に有罪評決を下したことを受け、中国当局がすかさず抗議の声を上げた。
マサチューセッツ州ボストンの連邦裁判所の陪審団は12月21日、ハーバードの化学・化学生物学科の元学科長であるリーバー(62)が千人計画への関与に関し、虚偽の申告を行なったとして有罪の評決を下した。
先端技術で世界トップを目指す中国が国家事業として進める千人計画は、他国の先端技術や知的財産を獲得する狙いがあるとして警戒されている。
検察によれば、リーバーは武漢理工大学の名義で論文発表や特許申請をし、その見返りとして月5万ドルの報酬と年間15万8000ドルの生活費、さらに150万ドル超の研究助成金を受け取っていたが、自身の評判を守るために、これら全てを隠蔽していたという。
「米政府も人的交流に貢献せよ」
CNNの報道によると、リーバー率いるハーバードの研究チームは、米連邦機関から1500万ドル超の助成金を受けており、利益相反に当たる可能性がある外国からの研究助成を申告する義務がある。
リーバーは、所得税の虚偽申告2件、虚偽の報告2件、中国の銀行口座の報告漏れ2件で有罪とみなされた。
この評決に対し、中国外務省の趙立堅(チャオ・リーチェン)副報道局長は22日、米政府が中国の研究交流プログラムに「汚名を着せる」のは大きな間違いだとかみついた。
中国のプログラムもアメリカと同様の指針に基づいて実施されており、米政府は中国の試みを貶めるよりも、米中の「研究協力と人的交流に何らかの貢献」をなすべきだと、趙は主張した。
裁判でリーバーは起訴事実を全て否認。リーバーの弁護を担当したマーク・ミュケージー弁護士は、逮捕前の取り調べの記録が全く残されていないことを問題にし、証拠不十分として論陣を張った。
一方検察側は、ハーバードのリーバーの研究チームに多額の助成金を提供していた米国立衛生研究所(NIH)など、連邦機関の問い合わせに対し、リーバーは千人計画への関与を否定したと主張した。