なぜ君たちは与党になれないのか
Awakening from a Nightmare
泉新代表は共産党との共闘合意を「現時点で存在しない」と言うものの、「撤回」とは言っていない。もし共産党と手を切るのであれば、新代表が選出されたその日のうちに方針転換を表明するべきであったが、もはや手遅れだ。協力体制を何らかの形で維持するのであれば、連合との関係が相対化されることは避け難く、支持基盤の再構築に腹をくくらざるを得ない。
広範な統一名簿方式(オリーブの木)を採用する選挙戦術もあるが、立民が政権を取ったら共産はどう関与するのか。そのとき日本はどうなるか。日米安保、皇位継承はどうなるのか。そうした将来像を明確に語らない限り「信頼」は醸成されない。
泉体制の立民にとって来年夏の参議院選挙が試金石になる。岸田政権が勝利すれば、その先3年間、与党は国政選挙なく安定的に政権運営ができるが、それは野党にとって強靭性の土台がさらに先細ることを意味する。岸田政権は多少の混乱があるとはいえコロナ対策、経済対策を果断かつ着実に実行しており、これまでのように敵失を期待するのは間違っている。
「文通費問題」に火を付けた維新の改革路線も国民に好感されている。野党第1党としてどれだけ多くの有権者の心に刺さるストーリーを提示し、それを共有してもらえるか。「強靭化」の根本戦略が問われている。
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