Airbnbがアフガン難民7600人に宿泊先を提供
Airbnb Has Helped 7,600 Afghan Refugees Resettle in U.S., Pledges to Help 12,500 More
Airbnbのホスト(家主)の一人であるスーザン・ベイリーが難民の再定住に関わったのは、2017年にAirbnbからかかってきた1本の電話がきっかけだった。その年、国連は母国を離れざるをえない人の数が6850万人に達したと発表した。その主な理由は、シリアでの紛争とスーダン、ミャンマー、イエメンの新たな人道危機だった。
当時、Airbnbは再定住支援機関を助ける形で、難民が恒久的な住まいを見つけることができるまでの短期的な宿泊先を斡旋していた。
そしてイエメンからの難民1名がデンバーで住む場所を探していた。Airbnbは市内にいくつか部屋を登録していたベイリーに、助けてもらえないかと頼んだ。
「そこから私たちの旅が始まったのです」とベイリーは言う。
ベイリーの一家はまもなくイエメンの大学生、ザック・アワドを迎え入れた。彼はスイスでファッションデザインを学ぶ予定だったが、イエメンで戦争が起こり、ビザを取り消され、家に帰ることができなくなった。
「私はそこで立ち往生した」と、現在28歳のアワドは言う。「どうしたらいいか分からなかった」
LGBTQを支援する人権機関の助けを借りて、アワドはアメリカにたどり着いた。だが、到着の直後は打ちのめされていた。「とても怖かった」と彼は言う。「ひとりぼっちだと思った。最初の4日間は悲惨だった」
家族同然の関係に
その後、彼はベイリー家に身を寄せた。ベイリー一家は隣人や友人を呼んで、アワドの歓迎パーティーを開いた。時と共に、アワドがアメリカでの生活をうまくやっていけるように支援体制が作られていった。
「それがかなりの助けになったことは間違いない」と、アワドは言う。彼は約1年間ベイリー家の友人たちと一緒に暮らすことになった。友人たちの助けもあって、アワドはデンバーのコロラド大学に入学し、アルバイトも見つけた。アワドが経営学の学位を取得して大学を卒業したとき、ベイリー一家も式典に出席した。
アワドはファッションデザインと音楽制作に携わるという夢を抱きつつ、マーケティングの仕事を開始したが、ベイリー家の人々とは互いに欠かせない存在であり続けている。
アワドと出会ったことで、自分の人生は変わった、とベイリーは言う。アワドが一家の一員になって以来、ベイリー家では6家族の難民を受け入れてきた。そして7番目 (アフガニスタンからの10人の家族)は12月初めに到着した。
「私たちは寛容で、他人を喜んで受け入れる人間だと思いたい」と、彼女は言う。「でも、彼らを知ることで、永遠に豊かになれるのは私たちのほうだ」
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