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選挙香港議会選、民主派排除で親中派が圧勝 投票率は過去最低30.2%
香港で実施された立法会(議会)選挙は、投票率が過去最低の30.2%となった。香港立法会選の開票所で撮影(2021年 ロイター/Lam Yik)
香港で19日実施された立法会(議会)選挙は、親中派が圧勝した。「愛国者」と認められた人のみが立候補できる制度への変更後初の選挙となったが、有権者の関心は低く、投票率は過去最低の30.2%となった。
2016年の前回選挙の投票率は58%で、今回は約半分に落ち込んだ。最新の結果によると、親中派と親体制派がほぼ全ての議席を獲得した。
新たな選挙制度は海外の政府や人権擁護団体などから批判され、主流の民主派政党は候補者を擁立しなかった。
民主建港協進連盟(DAB)のスターリー・リー(李慧けい)党首は、同党が民意を欠いているという批判を退け、愛国者だけが議員になれる選挙制度改革で統治が改善されると強調した。
民主派のフレデリック・ファン氏など穏健派とされる十数人の候補者の大半は、議席を獲得できなかった。ファン氏は「現在の状況では市民を後押しするのは簡単ではないとしか言えない。彼らは現状に無関心なのだろう」と述べた。
香港政府は18日、市民に一斉にテキストメッセージを送り、投票するよう求めた。
香港バプテスト大学のジャンピエール・カベスタン政治学教授は「政府が高い投票率の確保を狙っていたのは明白だ。そうしなければ、選挙の正当性が否定される可能性があるからだ」と指摘した。
英国からの返還後で最低の投票率は2000年の43.6%だった。
新たな選挙制度下で、立法会の定数は90に増え、直接選挙枠が全体の半分から約4分の1(定数20)に減った半面、親中派が占める選挙委員会が3分の1超を選出する形となった。香港では、国家安全維持法(国安法)の下で民主派への締め付けが強化され、多数の活動家が拘束されている。
選挙当日は電車やバスを含む公共交通機関が運賃を無料にしたため、駅などは混み合ったが、投票所に人混みはなかった。
ピーターと名乗る21歳の学生は「深刻な抑圧下で、投票を拒否することがわれわれの不満を表明する唯一の手段だ」と語った。
林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は投票締め切り後に声明を出し、130万前後の票が投じられたことは「改善された選挙制度への支持の表れ」だとの見方を示した。
政府の発表によると、選挙前には白紙投票を呼び掛けた10人が逮捕された。
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