眞子氏バッシングの日本に足らないもの
On Japan's 'Megxit,' We Need a Feminist and Human Rights Conversation
「バッシング行為は自らの不安の投影」
女性をはじめとする少数派にとって最も不利な状況だ。日本は世界経済フォーラム(ダボス会議の団体)が発表するジェンダーギャップレポートの下位常連国として有名で、2021年は120位。女性は「若くてかわいい事務員」や「控えめな主婦」など、狭い範囲の役割に閉じ込められている。本来は多様なわれわれが自分らしく生きるだけで、悪質ないじめの対象になりやすい。昨年、リアリティー番組の人気者だったプロレスラーの木村花さんが、ネット上の悪意のメッセージのせいで自殺した。英ガーディアン紙は「ハナの死はネットいじめの問題と、女性に社会的慣習に従うことを迫るプレッシャーを浮き彫りにした」と報じた。
だから、小室眞子氏のストーリーにはフェミニストと人権の視点が必要だ。私たちは、日本の少女や女性、そして他のすべての人々に正しいメッセージを送らなければならない。眞子氏を幼児扱いし、支配することは許されない。彼女はプリンセスであると同時に、30歳になり、長年付き合ってきた男性と結婚し、ニューヨークに引っ越そうとする自立した女性だ。何も難しいことはない。彼女の選択を認めなくてもいい。眞子氏が何度失敗をしてもいい。小室眞子氏の結婚に抗議する人たちは彼女の自主性、さらにはすべての若い女性を軽視している。
まず自分自身を見つめ直そう。小室眞子氏と夫の圭氏へのバッシングは、変化する世の中に対する自らの不安の投影だ。圭氏の母親が元婚約者に借金をしていることが許せないと感じたのなら、自分自身と向き合おう。経済協力開発機構(OECD)によると、日本は先進国の中で最も借金の多い国だ。2021年10月時点で、国際通貨基金(IMF)は日本のGDPに対する債務比率を256.9%、債務残高は13.1兆ドルと推定している。一方で経済は数十年にわたって停滞している。圭氏のポニーテールをスキャンダル視する前に、人種的に多様な子供たちの髪を黒く染めてストレートパーマをかけ、他の子供と同じ外見にすることを義務づける校則を変える必要がある。時代の変化を避けるため、新しいものを排除し続けることはできない。それは自殺行為だ。