3年で33人が殺された刑務所がアメリカに。改善の兆しもなし
DOJ Says Alabama Has Not Fixed Its Prisons, 33 Inmates Died in Last 3 Years
司法省はまた、刑務所の看守による過剰な力(暴力)の行使が常態化しているとも指摘。刑務所の過密状態や深刻な人手不足という危険な組み合わせにより、その傾向がますます強くなっていると訴状の中で述べた。
「過密状態にある刑務所で、刑務官たちは過剰労働を強いられ、刑務所の安全を管理するための十分な支援が受けられずにいる。その結果、刑務官たちは被収容者の脅威に対する恐怖心を募らせ、過剰な力を行使している」
司法省は、2021年第1四半期の時点で、「アラバマ州の刑務所の多くは欠員率が50%を超えていた」と指摘。また「州内にある13の男性刑務所のうち、火災警報システムが機能しているところが1つもない」など、施設の安全面や衛生面に数多くの問題があるとも指摘した。
アラバマ州のジェフ・ダン矯正局長官の更迭を求めている、同州議会のクリス・イングランド下院議員(民主党)は24日、刑務所制度が危機的状況にあると述べた。
「もう100万回ぐらい言っているが、刑務所にリーダーシップが欠如していることが問題だ」
「建てるだけでは解決にならない」
同州のケイ・アイビー知事(共和党)はこの秋、新たに4000人を収容可能な2つの刑務所および女性刑務所1つの建設と、そのほかの施設の改修費用を支援するために、パンデミックの救済資金から4億ドルを充てる法律を成立させた。
アイビーと州議会の共和党指導部は、この建設計画について、同州の矯正制度が長年抱える問題の解決法のひとつだと主張。だが計画の反対派は、建物を建設するだけでは刑務所の問題は改善されないと指摘。アラバマ州は医療や教育の分野にもさまざまなニーズがあり、この計画に充てる4億ドルを使ってそれらのニーズに対処すべきだと主張している。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら