ドイツ、社会民主党など3党連立で合意 メルケルが去りショルツ新政権が12月初めに発足へ
ドイツ社会民主党(SPD)の首相候補、オラフ・ショルツ氏は24日、自由民主党(FDP)および緑の党と新たな連立政権を樹立することで合意したと発表した。写真はショルツ氏から花束を受け取るメルケル氏(2021年 ロイター/Markus Schreiber)
ドイツ社会民主党(SPD)の首相候補、オラフ・ショルツ氏は24日、自由民主党(FDP)および緑の党と新たな連立政権を樹立することで合意したと発表した。
3党は約2カ月間にわたり連立政権樹立を巡って協議してきた。177ページに及ぶ合意書によると、3党は環境に優しい技術やデジタル化への公共投資を加速させる一方で、2023年以降は厳格な債務制限を復活させたい考え。
SPD、FDP、緑の党による連立政権は初となる。これにより、16年間に及んだメルケル首相率いる保守政権に終止符が打たれる。
ショルツ氏はベルリンでの記者会見で「ドイツが最前線を維持するために大規模な投資を行う」と述べた。
各党のシンボルカラーにちなみ「信号連立」と名付けられた新政権は下院の過半数を占めており、各党が連立協約を批准した後、来月初には発足すると見込まれている。
ショルツ氏は、1924年にベルリンのポツダム広場に初めて信号機が設置された時、多くの人がそれが機能するかどうかを疑問視したことに触れ、「現在、物事を明確に規制し、正しい方向性を示し、誰もが安全かつスムーズに前進するために信号機は欠かせない」と指摘。「首相としての私の野望は、この信号連立がドイツにとって同様に画期的な役割を果たすことだ」と述べた。
満載のアジェンダ
SPDと保守連合の「大連立」で財務相を務めるベテラン政治家のショルツ氏(63)は、新型コロナウイルス流行との闘いが最優先事項になると述べた。
しかし、同氏率いる連立政権は、再生可然エネルギーの導入拡大、石炭からの脱却加速、最低賃金の引き上げなど、野心的な中長期計画も掲げている。
また、社会的にリベラルな傾向を強調するため、連立政権は多重国籍を認め、定期的に移民を増やし、選挙権年齢を16歳に引き下げ、欧州で初めて娯楽用大麻の販売を合法化することでも合意した。
緑の党のアンナレーナ・ベーアボック共同党首(40)は、ドイツ初の女性外相に就くと見られている。