地元開催のCOP26までご欠席、でもエリザベス女王が引退できない理由
Queen Elizabeth Ⅱ Will Step Back if Her Health Becomes Detrimental to Monarcy--Biographer
今年10月7日に行われた式典ではにこやかな笑顔を見せた Victoria Jones/Pool via REUTERS/File Photo
<現在95歳の女王は、このところ体調不良による公務のキャンセルが相次いでいる。摂政制という選択肢もあるが、チャールズとカミラ夫妻が代わりでは国民が納得しない?>
エリザベス女王は自身の体調が「英王室にマイナスになるようなら」、躊躇なく引退するだろうと、王室の伝記作家が本誌に語った。ただ、在位70周年を迎える来年には、盛大な祝賀行事が予定されており、少なくともそれまでは今の地位にとどまる可能性が高い。
イギリスの国家元首でもあるエリザベス女王は現在95歳。このところ体調不良による公務のキャンセルが相次いでいる。10月20日に予定されていた北アイルランド訪問は医師の助言により土壇場で中止され、1泊2日の検査入院をすることとなった。
グラスゴーで開催される気候変動に関する国際会議COP26では、11月1日夜のレセプションに出席することになっていたが、これも中止が発表された。
ジョー・バイデン米大統領は閣僚ら政府高官13人を引き連れて、10月31日から11月12日まで行われるCOP26に参加すると、CNNが伝えている。
100歳になるまでには?
英王室のメンバーは環境保護の取り組みに熱心なことで知られる。COP26では、女王は英外交の強みである王室のソフトパワーをいかんなく発揮して、各国代表に気候対策の推進を呼びかけるとみられてきた。
だがドクターストップがかかったため、ビデオメッセージを送るにとどめ、各国代表と握手し短い会話を交わす役目はウイリアム王子とキャサリン妃、それにチャールズ皇太子とカミラ夫人に委ねられる。
90歳を超えても精力的に公務をこなしてきた女王だが、最近では杖をついて行事に参加する姿もみられ、責任の重い激務をいつまでこなせるか疑問視されている。チャールズ皇太子も今年11月で73歳と、相当な高齢であり、生まれたときから決まっている地位にずっと就けないでいるのも気の毒だ。
とはいえ女王が退位することは考えにくく、最も現実的な選択肢は摂政制だろう。エリザベスは女王のまま公務を退き、チャールズが摂政として国家元首の務めを果たす、という形だ。
王室ジャーナリストで故フィリップ殿下の伝記の著者でもあるロバート・ジョブソンは、女王はそれが王室のためになると判断すれば、喜んで摂政制を採用するだろうと、本誌に語った。ただし、今すぐではなく、採用するとしても4、5年先になる。