米国人宣教師ら17人誘拐のハイチギャング、「身代金払わなければ頭撃ち抜く」
Haitian Gang Threatens to Shoot American Hostages Unless Ransom Paid
ハイチの市民保護局(行政監察機関のような役割)が発表した声明によれば、400マウォゾは、宣教師たちを誘拐したのと同じ日に、ハイチ人の大学教授1人も誘拐していた。またこの声明によれば、10月に入ってから誘拐されたハイチ人の牧師は、身代金を支払ったのにまだ解放されていないという。
「この犯罪集団は、何の処罰を受けることもなく、社会のあらゆる人々を無差別に襲っている」と同局は述べている。
こうしたなか、ハイチの首都ポルトープランス近郊では、深刻な燃料不足や治安の悪化に抗議するデモが行われ、大勢の人々が、道を塞いだり、タイヤを燃やしたりして不満を表明し、アンリ首相の辞任を要求した。
400マウォゾは誘拐のほか、ガソリンの流通を妨害したり、供給用トラックをハイジャックしたりしており、これが燃料不足を招いていると当局者たちは言っている。数多くのガソリンスタンドが長く営業を停止しており、通信大手デジセルのハイチ支社は20日、同国内にある1500の基地局のうち150カ所がディーゼル燃料不足のために機能していないと明らかにした。
「ないものだらけ」の悲惨な状況
21日の抗議デモに参加したデービッドソン・メウスは、「何もかもが機能していない!」と不満を訴え、「私たちは、とても苦しんでいる」と語った。デモ参加者たちが掲げていたプラカードには、「高い生活コストをなんとかしろ」と書かれたものもあった。
一部の地域では、デモ隊と警察が衝突。警察が催涙ガスを発射し、一方のデモ隊は、バリケードとして使われていたタイヤを燃やすなどして抵抗した。
英語とフランス語の教師をしているアレクサンダー・サイモン(34)をはじめとする複数のデモ参加者は、ハイチ人が悲惨な状況に直面していることに抗議の声を上げている。
「食べることもできない人々が大勢いる」と彼は述べ、さらにこう続けた。「仕事もない。ここは、ないものだらけだ」