実は英国もアイルランドも、そこまで北アイルランドを求めていなかった
国勢調査の結果は来年発表の予定だが、北アイルランドでは伝統的にアイルランド統一を支持するカトリック教徒が多数派を握りつつある。11年の国勢調査では、プロテスタントが明確に多数派だった年代は60歳以上のみ。児童はカトリックが51%、プロテスタントが37%だった。
この人口動態の変化がアイルランド統一への支持につながるかどうかは、世論調査でははっきりしない。今年5月の調査では、アイルランド共和国では有権者の3分の2が統一を支持したが、北アイルランドでは36%だった(北部の独立派の間でも統一支持は4分の3にとどまった)。
今後100年以内にアイルランドの統一を実現させるためには、アイルランド共和国側の寛大な精神が必要になるだろう。イギリスは現在、年間約150億ドルの北アイルランド支援を行っている。前述の5月の調査で、「統一を支援するために税金を払う気があるか」と尋ねたところ、「払う」という答えはわずか22%だった。
一方、イギリス人は北アイルランドが自国の一部ではなくなった場合、どう感じるか。4月のユーガブの世論調査では、46%の回答者が「どちらでもいい」と答えている。
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