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米移民危機フェイクニュースでハイチ移民がアメリカに殺到!? トランプは大喜び
Mayorkas Concerned Haitians Receiving 'False Information' U.S. Border Is Open
前にも見た光景(大統領暗殺と大地震による国情不安からアメリカに渡ろうとするハイチ移民、9月20日) Go Nakamura-REUTERS
<押し寄せる移民のあまりの数に、当局は「国境が開いた」というデマが流れたのではないかと打ち消しに必死。トランプは「このままでは第三世界になる」と高笑い>
アメリカとメキシコの国境地帯で移民危機が再燃するなか、ドナルド・トランプ前大統領は、このままではアメリカが「第三世界の国」になるとの見方を示した。
「アメリカはまもなく、第三世界の国とみなされるようになるだろう」と、トランプは9月20日付の声明で述べた。「我々の国境で今起きているような事態は前代未聞だ。すでにごまんという人々が殺到しているが、これをはるかに上回る人数がやってこようとしている!」
前日の声明でもトランプは主張した。「我々の国は、急速に悪人の巣窟と化しつつある」「人殺しや、違法薬物の密売人、犯罪者」が、ハイチおよび南米やアフリカの諸国からアメリカに移民として流入している。
トランプはかねてから、移民がアメリカの経済と文化を損なっているとの主張を行っている。最新の両日の声明は、ハイチからの移民数千人が、保護を求めてアメリカの南側の国境に到来する中で発されたものだ。
ハイチからの移民が到来するようになったのは、7月7日に同国の大統領が暗殺され、さらに8月14日にマグニチュード7.2の地震が発生してからのことだ。8月の地震の死者は2200人近くに達し、けが人は1万2000人を超えた。また、家屋への被害も、全壊・半壊の合計で10万戸以上にのぼった。
バイデン政権は、移民を本国に送還する動きを加速させている。メキシコとの国境に位置する町、テキサス州のデル・リオには、9月18日の時点で少なくとも1万4000人の移民が詰めかけている。国境警備隊は最近になって、国境地帯に遺棄されていた幼い子どもを複数人発見している。
米国土安全保障省(DHS)のアレハンドロ・マヨルカス長官は20日、記者団に対して、「こうした非正規の移住ルートを選んだハイチの人々が、『国境が開放された』とか、『一時保護資格(TPS)が適用される』といった、誤った情報を受け取っていることを非常に懸念している」と述べた。「アメリカに入国できるルートはない。それが正式見解であることを、ここでいま一度はっきりさせておきたい。それ以外は誤った情報だ」
共和党に所属する26州の知事は9月20日、バイデン大統領に書簡を送付した。メキシコ国境の状況を「国家安全保障上の危機」と呼び、この問題を議論するための会合を開くよう大統領に要求したのだ。
書簡は、「不法な越境行為」が、「国際的な犯罪活動の急増」を招いており、「人身売買や薬物の不法取引に従事する犯罪者がせきを切ったように流入し、我々の州の住民の健康や安全を危険にさらしている」と述べている。
「我が国の南側の国境で起きた危機は、今やすべての州へと広がっている。事態がさらに悪化する前に、早急に行動を起こす必要がある」と、州知事らは主張した。この書簡には、バーモント州のフィル・スコット知事を除く、共和党所属のすべての知事が署名した。
一方、50人超の民主党議員は9月17日にマヨルカスに対し、ハイチから来た難民を本国に送還することをやめるよう求める書簡を送付した。
書簡起草者の1人であるマサチューセッツ州選出のアヤンナ・プレスリー下院議員は、声明でこう述べている。「ハイチが政治・公衆衛生・経済の面で史上最悪の危機に見舞われている中で、バイデン政権は、ハイチ人を不当に本国送還し続けている。バイデン政権が、『ハイチ人コミュニティーを支えるためにできることはすべてしている』と主張することは許されない」
(翻訳:ガリレオ)
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