国外脱出のチャーター機をタリバンが足止め?──「事実上の人質状態」と米議員
Taliban Hold Planes Full of Evacuees as Congressman Talks of 'Hostages'
スポーツを通じて若い女性リーダーの育成を目指す非政府組織(NGO)アセンドの話としてCBSが5日、伝えたところによれば、航空機での出国を希望しながら足止めされている数百人の中には、アセンドの関係者(アメリカ人19人と永住権保有者2人)も含まれているという。
「注目が集まることが解決に向けた圧力につながればと思う。米軍撤退後6日間におよぶ交渉でも光は見えていない」と、アセンドのマリナ・ルグリー専務理事はCBSに語った。
ルグリーは本誌の取材に対し、アセンドはタリバンとも国務省とも直接のやりとりはしていないと述べた。航空会社とタリバンの間で金額交渉が行われているようだが、結果は分からないという。
またルグリーは、国務省か国家安全保障会議(NSC)が、カタール経由でタリバンとの間に存在する「さまざまなルートを使い、何らかのコネを使って行動を起こさせる」ことを期待していると述べた。
「わが国の政府は公式にはアフガニスタンから去ったかも知れないが、こうした関係が一夜にして消えるわけではない。タリバンに正しい対応をさせ、何の罪もない人々を空路脱出させるため、非公式なルートでの話し合いが必要だ」とルグリーは述べた。
残るアメリカ人は約100人
バイデンは8月末の駐留米軍の完全撤退により約20年にわたるアフガニスタンでの戦争に終止符を打った。だが撤退は混乱を招き、バイデンはさまざまな批判を受けている。だが完全撤退を決めたのはバイデンではなくドナルド・トランプ前大統領の政権だ。
トランプ政権は昨年2月、今年5月末までに米軍を完全撤退させるという内容の和平合意をタリバンとの間で結んだ。バイデンは大統領に就任後、いったんは撤退期限を9月11日まで延ばしたが、その後8月末に前倒し。ところが8月半ば、タリバンがアフガニスタンの実権をほぼ掌握してしまった。
それでもまだ、首都カブールの国際空港は米軍のコントロール下にあった。それから半月の間に、アメリカは約11万6000人を避難させた。その中にはアメリカ人もいれば同盟国の国民も、数千人のアフガニスタン難民もいた。だが、中には脱出を望みながら取り残されたアメリカ人もいた。
「アフガニスタンでは少数のアメリカ人──200人未満、たぶん100に近い数だろうが、出国を望みながらまだ国内に残っているとみられる」と、アントニー・ブリンケン米国務長官は8月30日の記者会見で述べた。「その正確な数を確認しようとしている最中だ。搭乗者名簿を調べたり、こちらのリストにある人々に電話したりメッセージを送ったりしている。できるだけ早く詳細をつかみ、情報共有をしたい」
ロナルド・クレイン大統領首席補佐官は5日、CNNに対し、アフガニスタン国内に残っているアメリカ人の数は「約100人」だと述べた。