院政目指す?ドゥテルテ軸に展開する2022比大統領選 カギ握るは大統領の長女
ドゥテルテは副大統領が大統領より偉い超法規的政治を目指す? Lisa Marie David - REUTERS
<副大統領選への出馬を表明した男の狙いは?>
2022年5月に行われるフィリピンの大統領選では、10月1日の立候補者届け出に向けた与野党の候補者選定や1本化に向けた動きが活発となっている。現職のドゥテルテ大統領は憲法の規定で大統領には立候補できないが、副大統領としての出馬は可能で、実際に与党は党大会で「ドゥテルテ大統領を副大統領候補」として指名し、ドゥテルテ大統領がこれを受諾したことで正式な候補者となった。
ただ与党が大統領候補に指名したボン・ゴー上院議員が指名を拒否したことから、新たな大統領候補をめぐる調整が急務となっている。
一方の野党もレニー・ロブレド副大統領を軸に候補者の絞り込みを進めており、また世論調査でも人気のあるマニラ市のイスコ・モレノ市長の名前もとりざたされている。
ドゥテルテ氏 副大統領候補指名受諾
ドゥテルテ大統領が最高顧問を務める最大与党「PDPラバン」は9月8日、中部ルソン島パンパンガ州サンフェルナンド市で全国党大会を開催し、ドゥテルテ大統領を副大統領候補に指名した。そして直ちにその指名をドゥテルテ大統領が受諾したため、党の正式候補者となった。
ドゥテルテ大統領は受諾に際し「指名受諾は野心ではなく愛国心に基づくものであり、フィリピン国民に仕え続けることでさらなる国家の発展に貢献したい」と意欲をみせた。
ただ同時に「PDPラバン」が大統領候補に指名したドゥテルテ大統領の側近ボン・ゴー上院議員はかねてから「大統領選には関心がない」と否定的姿勢を示していた。このためこの日の指名に対しても「党は私の決意を尊重してほしい」と改めて指名受諾を拒否した。
このため「PDPラバン」では同氏の説得作業と別の候補者探しが急務となっている。
「PDPラバン」には有力議員のひとりマニー・パッキャオ上院議員も所属しているが支持者は少数ともいわれ、世論調査での高い人気にもかかわらずすんなりと次の候補者になるかどうかは極めて不透明な状況だ。
地元紙が「4人軸に展開か」と報道
地元紙「フィリピン・スター」は9月12日、法学者や政治評論家の見方をもとに「4人を軸に大統領選展開か」とする分析記事を掲載した。