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メディアポーランド下院、政権批判の米ディスカバリー系TV局締め出す規制案を可決
ポーランド下院は11日、非欧州企業によるポーランド放送業者の所有禁止を強化する法案を可決した。写真は、ポーランド議会の内部。2020年9月17日に撮影。(2021年 ロイター/Slawomir Kaminski/Agencja Gazeta via REUTERS )
ポーランド下院は11日、非欧州企業によるポーランド放送業者の所有禁止を強化する法案を可決した。野党側は、法案の狙いが米系によるポーランド政府に批判的なニュース局の閉鎖にあると非難。ブリンケン米国務長官も可決を深く憂慮すると表明した。法案は上院に回る。
ポーランドではテレビ局TVN24が9月26日に現行の認可期限を迎える。親会社のTVNは、米メディアグループのディスカバリーがオランダに設立した会社を通じて所有。現在のポーランドの法律はメディア企業の株式の49%超を非欧州企業が持つのを禁じている。今回の法案はこうした迂回策を封じる内容。
米政府は既に、TVN24の認可が更新されなければポーランドへの将来の投資を損なう可能性があると警告していた。
可決を受けてブリンケン長官は声明で、標的になっているのはポーランドで最も視聴される独立系のニュース局であり、同国に対する米国からの最大規模の投資の1つだと表明。「ポーランドへの米国の大型商業投資は双方の繁栄につながり、双方の集団的安全保障も強めるものだ」とも指摘した。
最大野党「市民プラットフォーム」の議員はツイッターで「投票は自由への攻撃であり、政府から独立したメディアへの攻撃だ」と批判。ディスカバリーも「言論の自由という民主主義の中核的な原則への攻撃だ」とし、メディアの独立性を損ない、TVNとディスカバリーへの直接的な差別行為だとする声明を発表した。
ポーランドの政府報道官は採決について、他の欧州連合(EU)諸国と同様の規定を導入しようとしているだけだとし、「議会が適切と見なす方法で資本の問題を規制する権利はわれわれにもある」と主張した。
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