<裁判>大谷元同僚スキャッグスが薬物死したのはエンゼルスのせい──遺族
Court Docs: Ex-Angels Staffer Ran Drug Operation in Clubhouse Before Pitcher's Death
試合前に行われたスキャッグスの追悼セレモニーでの大谷翔平 MLB/YouTube
<大谷翔平とも仲が良かったスキャッグス投手。その彼が急死したのは、薬物依存症の球団職員が選手相手に麻薬をさばいていたからだったと、連邦検事は主張する>
2021年8月20日にテキサス州フォートワースで提出された新たな法廷文書で連邦検事が主張するところによれば、メジャーリーグ(MLB)の「ロサンゼルス・エンゼルス」の元広報部長エリック・ケイは、2019年に薬物の過剰摂取で死亡した投手のタイラー・スキャッグスのほか、少なくともあと5名の選手に違法薬物を提供していた可能性がある。
スキャッグスが薬物の過剰摂取で死亡した2019年の事件の裁判が、10月4日に始まる。ケイは2020年10月、スキャッグスの死につながった合成オピオイドのフェンタニルを調達した罪2件に関して、テキサス州大陪審によって起訴されたが、無罪を主張している。
最新の法廷文書によると検察は、ケイからオキシコドン(オピオイド系の別の規制薬物)を買ったと主張する5名の選手に証言させる予定だという。選手の氏名は明かされていないが、8月20日に提出された書類では、ケイが2017年以降、エンゼルスの選手たちに「オキシコドンなどの規制薬物」を提供していたと述べられている。
ロサンゼルス・タイムズ紙の報道によれば、5人はいずれも進んで証言台に立ち、ケイは、選手たちが使用したオキシコドンの「唯一の供給源」だったと証言するつもりだという。
ケイが死に至る薬物を届けた
検察側は提出書類のなかで、証人の証言は、ケイとスキャッグスのあいだで交わされたテキストメッセージによって裏づけられると述べている。また、ケイが選手に薬物を提供していた動機は、ひとつには入手した薬物の一部を自身でも使用するためだったという。「それが(薬物を)配る状況および背景を説明している」と、その法廷文書には書かれている。
スポーツ界の法的問題を扱うサイト「リーグ・オブ・ジャスティス」のエイミー・ダッシュも、あるドラッグディーラーが2019年6月30日にエンゼル・スタジアムでケイに偽造医薬品を渡したことを示す証拠を当局が握っているようだと伝えている。
ダッシュの記事によれば、6月30日にケイが薬物を入手したあと、エンゼルスはテキサス・レンジャーズとの試合のためにテキサスに向けて出発した。ケイは真夜中に、問題の薬をテキサス州サウスレイクにあるホテル「サウスレイク・タウンスクエア・ヒルトン」のスキャッグスの部屋に届けた。その後、スキャッグスはホテルの部屋で、薬物過剰摂取によって死亡しているところを発見された。