ハイチ地震で負のスパイラル 支援依存でさらに弱体化する
2021年8月23日(月)16時55分
南西部レ・カイのホテル倒壊現場(8月16日) RICARDO ARDUENGO-REUTERS
<コロナ、ギャング抗争、大統領暗殺──疲弊するハイチ貧困層を直撃した大地震の非情>
マグニチュード7.2の大地震が8月14日に発生したハイチで、被災者のいら立ちが頂点に達している。
救援活動が遅れ、不満を募らせた民衆は建物の倒壊現場に集まって仮設シェルター建設用の防水シートを要求。被災地は大地震の翌々日に暴風雨に見舞われたため、防水シートは以前に増して必需品だ。
大地震の死者数は18日時点で約2200人。負傷者は1万2000人を超え、多くは猛暑の中、屋外で治療を待っている。当局によると、倒壊家屋は5万2000戸以上で、約8万世帯が自宅を失った。
多くの貧困層は大地震で、頼みの綱の食料源や収入源を奪われた。新型コロナウイルスやギャングの暴力、7月の大統領暗殺事件と困難続きのハイチに追い打ちをかける。
大地震の結果、外国からの送金や国際団体の支援への依存が増し、ハイチはさらに弱体化するだろうと、経済学者エツァー・エミルは語る。「外国の援助は残念ながら、長期的には助けにならない」
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