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感染症対策FDA、ファイザーの新型コロナワクチン正式承認 米国で初
米食品医薬品局(FDA)は23日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンを正式承認した。写真は3月19日撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)
米食品医薬品局(FDA)は23日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンを正式承認した。米国で新型コロナワクチンの正式承認は今回が初めて。
米国では人口の半分強がワクチン接種を完了しているものの、ワクチンに対する懐疑的な見方も根強く、感染力の強いデルタ変異株が流行する中、正式承認によってワクチン接種を加速させたい考え。
バイデン大統領はツイッターへの投稿で「正式承認がファイザー製ワクチンの安全性や有効性を巡る信頼感を高める」と期待を表明した。
その後、ホワイトハウスの会見では、FDAによる正式承認を「パンデミック(世界的大流行)との戦いにおける大きな節目」と評価し、より多くの民間企業が従業員へのワクチン接種を義務化するよう促した。
さらに、ワクチン接種に消極的だった国民に対しては、「ワクチンを接種する時が来た。今日にでも接種しよう。無駄にしている時間はない」と呼び掛けた。
FDAのウッドコック長官代行は「すでに多くの人がワクチンの接種を受けているが、FDAの正式承認を受け、接種を受けることに対する信頼感が増すと考えている」と述べた。
ファイザーのブーラ最高経営責任者(CEO)は声明で、FDAが正式に承認したことで、ワクチンの有効性と安全性が確認されたとした。
正式承認は16歳以上が対象で、今後は「コミナティ(Comirnaty)」という製品名で販売される。12─15歳の接種については、一段のデータを見極めてから正式承認の是非が決定される。また、ウッドコックFDA長官代行は12歳以下の接種は現時点で推奨しないと述べた。
ファイザーは12歳以下への接種について、緊急使用許可を裏付けるデータを今秋にも提出する見通し。
FDAは正式承認にあたり、ファイザー製ワクチンの有効期限を従来の6カ月から9カ月に延長。FDAはこのほか、2回目の接種後に若い男性を中心に心臓に炎症が起きるリスクがあるとの見解を維持した。
ファイザー製ワクチンは昨年12月に緊急使用が認可され、接種が展開されていた。
米国防総省はFDAがファイザー製ワクチンを正式承認した直後に、軍関係者へのワクチン接種義務付けの用意を整えていると発表した。今後、州・地方政府や民間企業によるワクチン義務化に弾みがつくことも予想される。
FDAの正式承認を受け、ファイザーの株価は約4%、ビオンテックは約11%それぞれ上昇した。
米疾病対策センター(CDC)のデータによると、現時点でワクチン接種の対象である12歳以上の国民の71%が少なくとも1回目のワクチン接種終え、60.2%が接種を完了している。ワクチン接種対象外の子どもを合わせると、ワクチン接種を完了した国民は51.5%となる。
同様に緊急使用が認められている米モデルナとジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンはまだ正式承認されていない。
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