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権力を私物化する政治家が「保守」派とは思えない──に納得した

2021年7月29日(木)13時50分
印南敦史(作家、書評家)


 そこで、バカにされた私たち主権者に残された唯一の手段は、そのように、訓練された官僚たちを悪事に走らせた政治的権力構造が明白である以上、その構造を壊す、つまり、「政権交代」を行わせることである。
 安倍前首相は、「自分が指示を出していないことは明白」だと繰り返していた。しかし問題は、指示があってもそれを証言するはずのない人々、つまり、指示がなくても「忖度」しておもねる者たちにかしずかれている自分の立場に思いが至らぬ首相を載いている、いまの日本の権力構造こそが問題なのである。だから、政権交代が急務である。(147ページより)

コロナ対応のお粗末さや相次ぐ不祥事の影響で、菅政権の支持率が落ちまくっている。しかし、感染者数が下げ止まらない状況下でもなお、首相は「人流は減少している」というようなことばかりを述べている。

そこに説得力はまったくないのだが、だからこそ私たちは意思を明確にしなければならない。衆院解散がいつになるのかなど現時点で明確になっていない点は多いが、やがて訪れる衆院選では票の力を使うべきだ。

著者が主張するように、「誇りを持っていまの政治を叱り飛ばす」必要があるのである。

「人権」がわからない政治家たち
 小林 節 著
 日刊現代

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[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は他に「ライフハッカー[日本版]」「東洋経済オンライン」「WEBRONZA」「サライ.jp」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。ベストセラーとなった『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)をはじめ、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)など著作多数。新刊は、『書評の仕事』(ワニブックス)。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。

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