失業に姉と母の死...どん底に落ちた私に人生を取り戻させた起業の「夢」
‘I Opened a Men-Only Nail Salon’
4月にオープンしたこの男性用ネイルサロンが私の人生を変えてくれた SHANA SOBERANIS
<会社をレイオフされ、さらには子供4人を抱えて母をコロナで亡くす。心が折れたが、ネイル店を始めてからは全てがハッピーに>
2018年の末まで、私はITアナリストだった。6年間続けたが、この年の12月にレイオフされた。
翌月、40歳の誕生日を祝う盛大なパーティーを開く予定だったから、ひと息つくタイミングとしては悪くなかった。3カ月くらいで仕事を見つけようと、私は決心した。
けれども、現実は甘くなかった。たくさんの求人に応募したが、面接に全く進めないまま3カ月が過ぎた。さらに3カ月が過ぎ、貯金が乏しくなり始めた。その頃は14歳と4歳の子供を抱えていた上、母の面倒も見ていた。一日中泣き続け、完全に心が折れた。
20年1月、ようやくパートの仕事にありついた後、ネイルスクールに行くことに決めた。私はある男性の友人に、定期的にペディキュアとマニキュアをしてあげていた。彼は理髪店を経営しており、空いている部屋があるから、そこでネイルの仕事をしてはどうかと言ってくれたのだ。
ところが3月に、1歳上の姉が心臓発作で急死した。大ショックだった。これで2人のわが子だけでなく、姉の2人の子と母の計5人の面倒を見ることになった。
家族全員が新型コロナウイルスに感染
ネイルスクールで学ぶ計画も、コロナ禍のせいで中止せざるを得なかった。8月には、私を含めて家族全員が新型コロナウイルスに感染した。9月8日には、母が新型コロナ感染症で亡くなった。
立て続けに起こったさまざまなことを頭から振り払いたくて、20年10月から3カ月間、ネイルスクールでみっちり学ぶことにした。同時に、自分が始めたい男性向けネイルサロン「マン・ケイブ・ネイルケア・フォー・ジェントルメン」のビジネスプランを描き始めた。
講師やクラスメイトは、なぜ男性専用のサロンをやりたいのか、それもどうして足を専門にするのかと、いつも聞いてきた。この質問には「足のお世話をしたいから」としか答えられない。今でも私は、マニキュアよりペディキュアをするのが好きだ。
こうして私はネイル専門士になる勉強を続け、州の資格試験にも合格。今年4月には、念願の男性専用ネイルサロンをオープンした。
店のウェブサイトで予約を受けるときには、音楽やテレビ番組の好み、好きなドリンクを書いてもらう。予約の日時にお客様が来店すると、もうお好みの環境が整っているという仕掛けだ。