マイアミのコンド倒壊を嘲笑った中国でホテルが倒壊、それでも中国は「勝った」と主張
China, After Mocking Surfside Rescue, Hit by Hotel Collapse Disaster
倒壊した蘇州市のホテルの瓦礫の山で犠牲者を「素早く」捜索する救助隊 cnsphoto via REUTERS
<フロリダ州のコンドミニアム崩壊と、残存部分の爆破解体を見て大喜び。犠牲者を見捨てるアメリカはもう「人権の灯台」ではなくなったと断罪>
7月12日に中国東部でホテルの崩壊事故が起き、中国の外交官たちにとって、なんとも皮肉な展開となっている。彼らは数日前までツイッターに、フロリダ州で起きたコンドミニアム倒壊現場の捜索・救助活動をあざ笑う投稿を続けていたからだ。
倒壊事故が起きたのは、江蘇省沿岸の蘇州市にある四季開源ホテル。地元当局によれば、3階建ての建物が崩れ落ち、瓦礫の山と化した現場では、現在も9人が行方不明になっており、600人以上が捜索に参加しているという。
13日の記者会見で、当局は、23人の犠牲者のうち14人が現地時間午前7時の時点で瓦礫のなかから救出されたと発表。8人の死亡が確認され、5人が入院し、1人が家に送られた。
行方不明者を含む犠牲者に関する情報はまだ明らかにされていない。当局は、18人の身元が確認されたとしつつも、詳細は明らかにしなかった。全員が宿泊客とみられている。
蘇州武江区の現場で捜索救助活動の調整にあたった地元消防署の職員チェン・シーアンは、救助は「非常に難しい」と記者団に語った。
「それほど高い建物ではないが、全体が完全に倒壊した。建物はすべて粉々になった」と、彼は説明した。
このホテルは客室54室の格安ビジネスホテルで、30年以上にわたって何度も名称を変え、昨年3月に新しいオーナーの下で営業を再開していた。
調子に乗った外交官たち
地元当局は、建物の構造を改変したことが倒壊の原因となった可能性があると見ており、原因調査するためのタスクフォースを結成した。
地元の緊急対応機関によれば、建物の倒壊は現地時間の12日午後3時33分頃に起きた。
一方、フロリダ州サーフサイド市でコンドミアムが部分倒壊したのは6月24日。この事故では94人の命が奪われ、22人がいまだに行方不明になっている。
中国の国営メディアは、7月1日の共産党建党100周年を前に、マイアミ郊外で起きたこの災害を大々的に報じた。
数日後に中国の外交官たちが口を出し始めた。彼らはアメリカと中国の公的な救助活動のあり方が対照的だと主張するツイートを投稿した。
フロリダ州の救助当局がハリケーンの接近に備えてコンドミニアムの危険な残存部分を爆破解体する決断をすると、中国メディアのアメリカ批判はさらにエスカレートした。残った建物は7月4日夕方に爆破され、20分後に救助活動が再開された。
中国外務省の華春瑩(ホア・チュンイン)報道局長は7月7日、ツイッターに「フロリダ州のコンドミニアムでは100人以上が行方不明。なんと辛い!自然災害か、人災か?中国では考えられない」と投稿した。
「行方不明者を見捨てたアメリカ」